問題集・参考書

一橋大学の数学で合格点を取るための勉強方法

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一橋大学の数学で合格点を取るための勉強方法についてまとめました。文系数学最難関の呼び声高い一橋大学の問題の傾向や難易度、どの教材を使うべきか、について解説してあります。一橋大学を受験する人はぜひ参考にしてみてください。

参考:一橋大学公式ホームページ

 

直近3年の入試問題は以下のpdfをどうぞ。

 

各学部の科目ごとの配点

平成31年度の各学部の配点は以下の通りです。

一橋大学-配点-商学部 一橋大学-配点-経済学部 一橋大学-配点-法学部 一橋大学-配点-社会学部

商学部、経済学部は配点が高い英語と数学に重点をおいて勉強をした方がいいですね。法学ぶと社会学部は配点が低いのでそこまで力を入れなくてもいいです。

特に社会学部の場合は数学よりも国語と社会に力を入れましょう。そしてなぜかセンターの理科の配点が100点もあるので注意が必要です。

 

2次試験で55~60%弱、得点できれば合格できる!

一橋大学-1次選抜-合格最低点 一橋大学-2次選抜-合格者最低点

上記2つの表は一橋大学の合格者最低点をまとめたものです。

1つ目の表は1次選抜(センター)の通過者の最低得点ですが、これを見るとだいたい75%〜80%弱が足切りラインになりそうですね。昨年度は総じて得点が高いのでこの基準をクリアすればだいたい通過できるでしょう。

2次選抜の表の30年度のところの( )内の数字はセンターで80%の得点率だった場合、2時試験で何点取れれば合格最低点に達するかを表したものです。

例えば、商学部の場合、センターの配点が250点なのでその80%の200点を引いた点数(397点)が2次試験で取らなければいけない点数です。2次試験の配点は750点なので、だいたい400/750と考えると、必要な得点率は53.4%です。

社会学部はやや難易度が高く464/820=56.6%となります。

 

各学部の目標得点

上記の配点と得点率をふまえた各学部の目標得点を算出してみました。

商学部(目標得点率53.4%)
国語67/125
英語134/250
数学134/250
社会67/125
合計402/750
理想420/750

経済学部(目標得点率52.4%)
国語58/110
英語137/260
数学137/260
社会84/160
合計416/790
理想430/790

法学部(目標得点率53.1%)
国語59/110
英語149/280
数学96/180
社会85/160
合計389/730
理想400/730

社会学部(目標得点率56.6%)
国語102/180
英語159/280
数学74/130
社会131/230
合格466/820
理想480/820

 

昨年度の合格者最低点よりも10点ほど多く得点できればほぼ合格できると思うので、それを理想得点として設定してあります(あくまで目安ですが)。

これを目安にして、数学が苦手な人、得意な人、それぞれの戦略で勉強しましょう。

 

整数、確率、図形が頻出!

過去5年の一橋大学・前期日程の数学の問題をまとめてみました。

一橋大学-数学-出題分野-2018 一橋大学-数学-出題分野-2017 一橋大学-数学-出題分野-2016 一橋大学-数学-出題分野-2015 一橋大学-数学-出題分野-2014

出題傾向としては整数、確率、図形に関する問題は頻出で、ほぼ毎年出題されています。

 

それ以外に注目すべきは易しい問題、標準的な問題、難しい問題が毎年まんべんなく出題されていることです。

易、標準問題をいかに取りこぼさず得点できるかが重要になってきます。また、120分という限られた時間で、得点できそうな問題を選び回答するスキルも必要です。

 

整数の問題について

この10年間の問題タイプを分類すると以下のようになります。

① 不定方程式の整数解(約数・倍数の関係に着目)
2009年、2012年、2013年

② 不定方程式の整数解(大小関係などから範囲を絞って調べる)
2011年、2016年、2017年、2018年

③ 余りに着目するタイプ
2010年

④ その他
2014年、2015年

2010年は整数が2題出題されたが、ともに余りに着目するもので、そのうちの一題は数列との融合問題でした。

2012年の問題では素因数分解を利用して約数の個数を求める問題。

 

まずは上記①、②のタイプを優先的に強化することが重要。特に②のタイプはちゃんと練習しておかないと手も足も出ないが、やっておくと点数に結びつきやすいです。

③のタイプもやっておくと整数に関してはある程度得点できるようになる。残りのタイプへの対処は余裕があればやるようにしましょう。

 

確率の問題について

過去に出題された問題タイプを分類すると以下のようになります。

① 定義に従い個数を数え上げる、または、独立試行
2004年〜2010年、2018年

② 漸化式
2011年〜2014年、2016年

③ 確率P(n)を最大とするnの値に関する問題(最大確率)
2005年、2007年、2008年、2009年

④ その他
2015年

 

この10年で出題された漸化式を用いる問題は、問題文に「漸化式をつくれ」といった誘導がないので、漸化式を利用する問題かどうかを見抜く力をつけておきましょう。

まずは上記①〜③を優先して勉強しましょう。といってもこのタイプの問題だけ演習するのも難しいので問題集の確率のところをまとめて一気に演習するのがいいと思います。

 

図形の問題について

対策するのが一番めんどくさいのが図形の問題です。

一口に図形と言ってもその範囲は多岐に渡るので、「この単元を強化すればOK!」とは言えません。

傾向として言えるのは「ベクトルと三角関数を利用した図形問題」は特によく練習した方がいいということと、「計算力が必要な問題」が多いということですね。

図形に特化した分野別の教材でいいのがあまりないので、やはり過去問を中心に演習するのが一番の対策になります。

 

微積分の問題について

微積の問題が出題されるときは比較的簡単な問題が多いので、優先的に回答し完答したいところです。

特に微分を利用した最大最小の問題や面積の問題がよく出題されます。

まずは過去問で練習して、あとは青本、それでも足りなければ「新数学スタンダード演習」を使うといいでしょう。

「新数学スタンダード演習」を一冊持っておけば、整数や確率、図形のトレーニングもできるのでオススメです。問題量も「文系プラチカ」などよりも多いのでたくさん演習できます。

数学を得点源にしたい人は「新数学演習」を使うのもありですが、この教材はかなり難しいので覚悟しておきましょう。

 

「新数学スタンダード演習」の詳細は以下の記事をご覧ください。

新数学スタンダード演習2019
「新数学スタンダード演習」の難易度とオススメの使い方「大学への数学 新数学スタンダード演習」の難易度とオススメの使い方について解説しました。このテキストは「大学への数学 1対1対応の演習」の1つ上のテキストです。1対1対応の演習との難易度の比較もしてあるので参考にしてみてください。...

 

データの分析について

2015年度と2016年度には第5問でデータの分析に関する問題が出題されましたが、2017年度、2018年度では出題されませんでした。

データの分析については、出題されるとしても難しい問題は出題されなさそうなのでセンターレベルの問題が解けるようにしておくといいと思います。出題されたら確実に得点しておきたいところなので。

 

分野別のオススメ教材

一橋の数学は整数、確率、図形が頻出なのでそれぞれのオススメ教材を紹介しておきます。

整数は「マスターオブ整数」がオススメです。これなら整数の問題を一橋のレベルまでくまなく演習できます。「分野別 標準問題精講 整数」だと一橋レベルの問題演習量が少ないです。

確率でオススメなのは「解法の探求・確率」です。問題数も多いですし、難易度も合っています。

図形は「教科書だけでは足りない 理系受験生のための図形問題」が一応オススメです。第4章全部と6章の一部が数3との融合問題になっているのでそこだけ省きましょう(経済学部の後期を受験する場合は数3まで必要なのでやってもOK)。

 

それぞれのオススメ教材の詳細は以下の記事をご覧ください。

マスターオブ整数、サムネイル
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過去問演習のタイミング

過去問は「 一橋大の数学15カ年[第6版] (難関校過去問シリーズ) 」を使いましょう。

数学の配点が高い商学部、経済学部は「 一橋大学 数学入試問題50年: 昭和43年(1968)~平成29年(2017) 」を使ってもいいですが、多すぎるので残り時間をよく考えてどちらを使うか選びましょう。

 

過去問演習は遅くても11月上中にスタートすることをお勧めします。

センター対策もある程度しないといけないので、12月中旬で過去問演習を一旦終わらせる(最低でもこのタイミングで15年度分を一周したい)ことを考えると11月上旬にスタートするのが最低ラインです。

過去問は「まず○年度分解く」のようにこだわらず、1年度分解いて、強化したい問題が出てきたらその都度、新数学スタンダード演習や分野別の教材で強化していきましょう。あとはそれを繰り返すだけです。

過去問は新しい年度のものから解くようにしましょう。その方が感覚が掴みやすいです。過去問を全て解いてしまい、余裕がある場合は駿台の青本をやるといいでしょう。

センター後は再び過去問を解き直しましょう。

 

ざっくりですが、過去問演習行こうの流れはこんな感じ。

  • 11月上旬〜12月中旬:過去問15年度分解く&他の教材でさらに強化(&青本)
  • 12月下旬〜センター:センター過去問
  • センター後:過去問を再び解く&他の教材でさらに強化(&青本)

 

過去問レベルに行くまでの途中でセンター過去問演習を挟むとセンターの得点がより安定します。例えば8月の終わりに2週間くらいセンター過去問演習をひたすらやるなど。その場合は、センター直前の演習は上記よりも少なくてもいいでしょう。

 

模試について

模試は駿台「一橋大入試実践模試」と河合の「一橋大入試オープン」を受けるようにしましょう。どちらも年1回しかないです。

あとは駿台の全国模試(ハイレベル)を受けておけば十分です。

 

高校数学0から一橋大合格するための勉強ルート

ここまでは、ある程度数学ができる人向けの内容でしたが、0から一橋大のレベルになるためにはどうしたらいいかについても説明しておきます。

と言っても勉強方法について書こうとするとめちゃくちゃ文字数がかかるので、ここでは教材についてのみ紹介しておきます。

高校数学0の人でも以下のように進めば一橋の過去問を演習する意味があるレベルになります(*あくまでも1A2Bのみの話。経済学部後期日程は数3まで必要なので別途考得る必要あり)。

  1. 白チャート1A2B or 黄チャート1A2B
  2. 入試数学の基礎徹底
  3. 新数学スタンダード演習

 

青チャートを使ってもいいですが、高校数学0の人ということなら白チャートか黄チャートがいいですね。

入試数学の基礎徹底で入試基本レベルの問題演習、新数学スタンダード演習で一橋大レベルまで繋げることができます。

あとは上記のように過去問をやればOKです。とはいえ白チャートをやるだけでもかなりの分量なので最低でも1年は必要と考えておいたほうがいいですね。

各教材の詳細は以下の記事をご覧ください。

チャート全色-サムネイル
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まとめ

さいごに一橋の数学の勉強方法をまとめておきます。

  • 何はともあれまずは過去問演習が重要
  • 過去問で不十分なら駿台の青本
  • 整数、確率、図形が頻出!
  • 整数なら「マスターオブ整数」がオススメ
  • 確率なら「解法の探求・確率」がオススメ
  • 図形なら「理系受験生のための図形問題」がオススメ
  • 演習用の問題集を一冊でまとめたいなら「新数学スタンダード演習」がオススメ
  • 過去問演習は11月上旬にはスタートする
  • 模試は「駿台・一橋大入試実践模試」と「河合・一橋大入試オープン」を受ける
  • 駿台の「全国模試(ハイレベル)」も受けておくと良い

 

一橋の英語については以下の記事をご覧ください。

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  • 指導曜日・時間:要相談
  • 料金:1時間6,000円(税別)→5,000円(2月3月指導開始の方だけ!)
  • 体験指導:60分(ヒアリング含む)

 

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