神奈川県公立高校入試の社会の勉強方法をまとめました。ここに書いてあることを実行すれば確実に目標点を取ることができるようになります。プロとして10年400人以上を個別指導してきた経験からどの目標点の人にも対応するように解説したので参考にしてみてください。
めちゃくちゃ長文になったので、目次を見て興味あるところから読むことをおすすめします。
これやっとけば間違いないって教材
ごちゃごちゃ読むのがめんどいという方もいると思いますので、最初にこれやっとけば間違いないっていう教材を載せておきます。最初に教材の種類を整理しておきます。
- 参考書:わからないところを調べる
- 総合的な問題集:過去問やる前にやる
- 基礎問題集:基本事項を定着させるための問題集
- 50点確保用問題集:50点確保するためのやつ
- 目標70点以上用の問題集:上位校狙う人向け
- 過去問
- 模試
この中で必須なのは②⑥だけです。①の参考書は3年分の教科書持ってれば必要ないです。③は基礎事項が抜けている人向けです。④は50点を確実に取るようにするための教材です(②をやった後に余裕があれば追加でやるのが良い)。⑤は上位校狙っているけど60〜70点から伸び悩んでいる時に使う教材です。
以下で具体的なおすすめ教材を紹介します。
参考書
まずは参考書です。
参考書は3年間の内容が一冊になってるやつが便利です。この3つはどれも同じような感じなので、本屋で手にとって中身を見て良さそうなやつを選んでください。個人的には総合的研究がおすすめです。
これらの参考書には別売りの問題集もありますが受験勉強では必要ないです。
総合的な問題集
次は総合的な問題集。
総合的な問題集はこの3つがおすすめです。どちらもほぼ同じなのでこれも中を見て気に入った方を選びましょう。個人的には「超効率問題集」の方がおすすめです。
使い方としては、参考書や教科書と併用して使うのがベストです。「問題集を解いたら丸付けをして解説を読み、参考書or教科書でわからないところを調べる」というのが基本的な使い方です。
似たような問題集で以下のものがありますが、これは少し内容が薄いのでやめておきましょう。目標が50点以下の人で内容が多すぎるのは嫌だという人は使ってもいいと思います。
基礎問題集
基礎知識を効率的に学習できる問題集としては以下のものがおすすめです。
これは各単元の基礎知識を一問一答形式で身につけるための教材です。暗記で回答できる問題はもちろんですが、大問を解くためにも基本知識が必須です。基本知識は教科書を読むのが一番理解しやすいですが、それだけでは身につきにくいです。理解→問題演習の流れで勉強するのが最も身につきやすいです。これはその問題演習をするための教材ですね。
上記の総合的な問題集はこの教材レベルの基本知識には重点を置いていないので、それを補うにはもってこいです。
50点確保用の問題集
50点分を確保するための問題集は以下のものがおすすめです。
読んで字のごとくですが、実際の入試で50%以上の受験生が解けた問題を集めた問題集です。受験成功のポイントは「みんなが解ける問題を落とさないこと」です。掲載されている問題は50%以上が解ける問題なので比較的簡単な問題が多いです。この教材をマスターすれば40〜50点分は確保できるようになります。総合的な問題集、過去問と合わせて使えばほとんどの人が60点は取れるようになるはずです。
目標点が50点の人はもちろん、それ以上を目指す人が得点を安定させるために使うのがおすすめです。
目標70点以上用の問題集
50点からさらに上積みするための教材もあります。上記と同じシリーズですね。
これも読んで字のごとく、入試で50%以下の人しか解けなかった問題を集めた問題集です。やや難しい問題が載っているので70点以上を目指す人におすすめです。あくまでも上積みするための教材なので、基本標準レベルが身についていない人は使わない方が良いです。
過去問
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受験勉強で最も重要なのは過去問演習です。基礎学習が終わったら出題傾向の問題をたくさん解くのが最も効果的なので、過去問は収録年数が多いものがおすすめです。上のやつは6年分、下のやつは12年分入ってます。下のやつはネットでしかも無料で質問できるのが良いですね(実際に質問したことないのでどんな感じかは知りませんが)。
2015年度から新課程になったのでそれ以前の入試問題は現行の入試問題と少し出題傾向が変わっていますが、それでも十分練習になるので過去問は掲載年数が多いものを選ぶのが正解です。
解説についてはどれも似たようなものなのであまり気にしなくても良いと思います。この問題はこう解いた方が良いなど細かい所を見ればキリがないですしね。
違う視点からもう一つの過去問を紹介しておきます。
これは各都道府県の入試問題を分野別に収録したものです。中学生が勉強する内容は指導要領で決まっているので自ずと入試問題も似てるんですが、ほかの都道府県の問題は練習するにはもってこいなんですよね。
この「全国高校入試問題正解」は分野別になってない(都道府県別になっている)ものもありますが、分野別の方が使いやすいです。
過去問、模試をやってさらに強化したい問題パターンや分野がある場合は追加で使うと良いですね。ここまでやれば目標点を取れる確率がMAXになります。値段が高いのが難点ですが。
模試
模試は定期的に受けた方が良いです。「W合格もぎ」と「全県模試」が有名ですね。塾に通っている受験生はこのどちらかを受けている人が多いと思います。
実はこの二つの模試はネットで購入することができます(以下のリンク先参照)。
塾に通ってなかったり、ギリギリで通い始めた人は自分で模試を購入して練習するとかなり効果的です。過去問と合わせてやれば入試対策はバッチリです。もちろん、判定や偏差値は算出されないのでその点は実際に模試を受けるのには劣りますが、本番に限りなく近い形での問題演習は効果的です。
塾教材について
市販の教材よりも塾の教材の方が圧倒的に優秀です。なぜかというと市販の教材は全国の公立入試全般に対応した教材しかありませんが、塾教材は神奈川県の入試に特化しているからです。下記の教材はその代表例です。この教材を使うためだけに塾に通う価値はあります。
オリジナルの教材を使っている塾も少なくないですが、それもかなり有効です。私の経験上、講師の質は当たり外れ(とくに外れ)が大きいのでその点では塾に通うメリットはあまりありませんが、塾の教材はその価値が大いにあると言えます。
ちなみに私は仕事柄、これらの塾教材を入手することが可能なので、私の生徒には市販教材ではなく必ず塾教材を使わせています。ホントにかなりの差がありますからね。特に学力的に中の上以下の生徒は結果に大きな差が出ます。
塾で使う教材の中で「これ使っときゃ間違いない」っていう教材もリストアップしておきます。
- Iワーク/オリジナルテキスト/新中学問題集(通常学習用)
- 県トレ
- GetThrough
- 極める〇〇
①は通常学習用(学校対策用)です。新中学問題集はやや難しいので中高一貫校の生徒がよく使いますが、公立生でも学力が高い生徒には使わせることもあります。
②〜④が入試用の問題集です。②+③とか③+④の組み合わせで買わせることが多いですね。70点以上を目指す場合は三つとも買わせることもあります。
この3つを使えば間違いないです。そこそこ頭の良い受験生ならこの3つと過去問があれば満点近く取れるようになるので、十分と言えるでしょう。
他にも用途に合わせて色々ありますが、長くなるので省略します。
教材紹介はここまでですが、問題傾向を知った上で勉強しないと効果が薄いので、ここから先は入試問題について理解するための解説をしていきます。
ここに書いてあるコツ・ポイントを意識して勉強すれば確実に目標点に到達できるので、ぜひ目を通して見てください。
問題構成と配点
まずは問題構成と配点を理解しておきましょう。ここでは平成30年度の問題を参考にします。
第1問 | 地理(世界) | 3点×7 | 21点 |
第2問 | 地理(日本) | 2点×1、3点×4 | 14点 |
第3問 | 歴史(近代以前) | 2点×4、3点×4 | 20点 |
第4問 | 歴史(近代) | 2点×3、3点×3 | 15点 |
第5問 | 公民(政治) | 2点×1、3点×4 | 14点 |
第6問 | 公民(経済) | 2点×1、3点×3、5点×1 | 16点 |
社会の問題は大問6つで構成されています。地理、歴史、公民の3分野でそれぞれ2問ずつにわかれています。
地理は世界の地理と日本の地理にわかれています。歴史は近代以前(例えば平安時代とか鎌倉時代など)と近代(例えば明治時代など)に別れています。公民は政治と経済に別れています。これもほかの科目と同様に指導要領を完璧に踏襲した内容になっているので、わかりやすいですね。
各大問の配点は年度によってばらつきはあるかもしれませんが、この構成自体は基本的に変わらないと考えておいて良いと思います。新課程にならない限りはこのままでしょう。
そのほかの年度の問題はこちらを参照してください。
社会の問題の特徴
- 分野ごとに独立して勉強できる
- まんべんなく勉強すると死ぬ
- 暗記だけで解ける問題は意外と多い
- 組み合わせ、並べ替えで答えさせる問題が多い
- 紛らわしい選択肢はない
- 記述説明問題は1〜2問しか出ない(〜10点程度)
- 漢字で書かせる問題は1〜3問しか出ない(〜10点程度)
以下で一つずつ解説していきます。
分野ごとに独立して勉強できる
英語や数学はいわゆる積み上げ型と言われる科目で一つ前の学年の内容ができないと次の学年の内容が理解できませんが、社会は分野ごとに独立して勉強ができます。しかも、理科以上に積み上げが必要ないので、好きなところから勉強できます。
例えば歴史を勉強するのに公民の知識は全く必要ないので、歴史だけ一気に勉強することが可能です。さらに歴史の中でも、例えば明治時代を勉強するのに平安時代の知識は全く必要ないので好きな時代を勉強することができます。
ただし、歴史的な出来事を順に並べさせる問題がよく出題されるので各時代の中での流れはおさえておかないといけません。
ですので、社会は理科と同様に分野ごとに勉強するのが基本です。中1内容→中2内容→中3内容と進めるよりも、地理→歴史→公民のように分野ごとに勉強した方が圧倒的に身につきやすいです。どの分野から受験勉強を始めるかは学校の進度によりますが、多くの学校は地理が最初に終わるはずです。
分野ごとに勉強する方法は特に学力が低い人にオススメです。なぜかというと、学力が低い人は多くのことを短期間にインプットしすぎると知識が混乱するからです。特に分野をまたいで勉強すると前に勉強した分野の内容をものすごい速さで忘れていきます。1つの分野を重点的に勉強しその分野の知識をしっかり定着させることで、それを防ぐことができます。
これは定期テストでも同じことが言えます。学力が低い、成績が伸びない人の特徴として、「全ての問題をまんべんなくやろうとしている」というのが挙げられます。まんべんなく勉強しても中途半端になるだけで得点に結びつかないことはよくあります。100点満点中50点が目標なのに100点分を全て勉強しちゃうのが代表例です。まずは50点分を確実に取れるように勉強する範囲を絞って勉強するのが正しい勉強方法です。
まんべんなく勉強すると死ぬ
上述のように社会は分野ごとに独立して勉強することが可能ですが、組み合わせや時系列順に並べ替えさせるなど問題の難易度はやや高めです。ですので、まんべんなくなんとなく勉強すると得点に結びつきにくいです。
ある程度の点数が取れるようになるまで一つの分野を集中的に勉強するのがセオリーですね。
まんべんなく勉強して得点が伸びないとモチベーションが下がるというのも大きなデメリットになります。同じ時間をかけるなら一つの分野に集中してしっかり得点できるようになった方がモチベ的にも良いですからね。
暗記だけで解ける問題は意外と多い
平成30年度の問題だと以下のものが暗記してるだけで解けそうです。
- 第1問(ア)(エ)(オ)(カ):12点
- 第2問(ウ)(エ):5点
- 第3問(ア):2点
- 第4問(エ):3点
- 第5問(ア)(イ):6点
- 第6問(イ):2点
- 合計:30点
合計で30点分もあるのも注目すべきですが、各大問で必ず1問は出題されているのも重要です。他の問題は単純暗記では正答できない問題なので、これらの問題を落とすと得点が一気に落ちてしまいます。
暗記だけで解ける問題としては時系列順に並べる問題や図や表を見て考えないといけないような思考力を必要とする問題はカウントしていません。
暗記だけで解ける問題の多くは「組み合わせ」で答えさせる問題なので、暗記だけで解けるといっても意外と難易度は高いです。片方だけ覚えていれば2択までは絞れるので、基本事項の暗記は意識してコツコツやっておきましょう。
組み合わせ、並べ替えで答えさせる問題が多い
社会の問題は「二つの事柄を組み合わせて答えさせる問題」や「時系列順に並べ替えさせる問題」が多いです。
例えば、平成30年度の第1問(ア)は「赤道の位置」と「日本の経度の表し方」の組み合わせを答えさせる問題です。それぞれ単独の問題だと簡単すぎるのでこのような出題形式にしていると考えられます。第6問(ウ)のように3つの組み合わせの問題も1題程度出題される可能性があります。
時系列順に並べ替えさせる問題は歴史で多く出題されます。例えば平成30年度の第3問(イ)がそうです。
この二つの問題形式は社会を勉強する上でめちゃくちゃ重要です。これを意識して勉強するかどうかで結果が大きく変わります。組み合わせについてはあまり気をつけることはないですが、各時代の歴史的なイベントの時系列については問題を解くだけではなくノートに整理するようにしましょう。
紛らわしい選択肢はほぼない
「組み合わせ」の問題にしろ「並べ替え」の問題にしろ回答を迷うような紛らわしい選択肢はありません。
例えば、第1問の(オ)では「ラクダorアルパカ」を選択させる問題ですが、その二つの動物は生息地や生態が大きく異なるので知っていれば迷うことはないでしょう。「リャマorアルパカ」だと迷ってしまいますが、そういう問題はまずないと考えていいです。あったとしても1問あるかないか。
これは勉強する上で超重要です。なぜなら勉強するときに細かい点を気にして勉強しなくてもいいからです。教科書に載っている基本事項をしっかり整理しておけば得点できるということです。その代わり、「時系列順に並べ替え」などの問題形式を意識した勉強をする必要はあります。
記述説明問題は1〜2問しか出ない(〜10点程度)
平成30年度の問題だと第6問の(オ)が記述説明(5点)ですね。平成29年度は3問(14点分)出題されていますが、これはさすがにやりすぎたと反省したようです(笑)。
記述説明問題はどこが出題されるか読めない上に配点も多くないので勉強の優先度は低いです。70点以上を目指す人以外は記述説明の練習に時間をかけずに、それ以外の勉強をした方が良いですね。
70点以上を目指す人は日頃から「説明できるように」勉強しましょう。特に歴史分野での経済(特に貿易)、公民分野での政治・経済に関する記述説明問題が多いです。
漢字で書かせる問題は1〜3問しか出ない(〜10点程度)
平成30年度だと第3問の(エ)、第5問の(イ)、第6問の(イ)、合計8点分が漢字で書かせる問題でした。
漢字で書かせる問題は少ないですが問題の難易度自体は低いので確実に得点しておきたいところです。どこが漢字で書かせる問題として出題されるかは予想できないので、日頃から漢字で書けるようにしておきましょう。
頻出パターンについて
社会は頻出パターンが予想しやすい科目です。まずは頻出パターンから勉強して軸を作りましょう。そうすれば短期間でしっかり得点を取れるようになります。
以下に頻出パターンをまとめておきます。
地理(世界)での頻出パターン
- 時差
- 略地図(子午線、緯度経度、赤道、方位)
- 気候/代表的な家畜
- 宗教
- 輸出品/輸出額
略地図の問題は頻出中の頻出です。子午線や緯度経度、赤道の位置などの基本知識は必ず答えられるようにしておきましょう。70点以上を目指す人はやや難しい時差と方位もしっかり勉強しておきたいところです。世界各地の気候、代表的な家畜、宗教、輸出品などもよく出題されるので、問題を解きつつ知識を増やしていきましょう。
地理(日本)での頻出パターン
- 農作物/産業
- 地図記号
- 地形図/縮尺
日本の地理では特定の都道府県の農業や産業についての問題がよく出題されています。地形図と合わせて出題されることが多いですね。地図記号については覚えているだけで答えられるものも少なくないのでしっかり覚えておきましょう。地形図の読み方は難しいことを聞かれることはなさそうなので特別練習しておかなくても平気です。方角や縮尺などの基本的な知識を身につけておけば十分回答できます。
歴史(近代以前)
- 建造物の絵と名前の一致
- 時代の説明/出土品の組み合わせ
- 時系列順に並べ替え(特に戦争周り)
- 資料の説明/作品の組み合わせ
- 各時代と文化、政治、農業、産業などの一致
- 改革の名称と内容
歴史の問題でまずおさえておきたいのは「時系列順に並べ替え」させる問題です。あくまでも重要なのは時系列順で、例えば壇ノ浦の戦いが「何年に起きたか」は覚えておく必要はありません。各時代の戦争や改革を中心にその前後の流れをノートに整理しておきましょう。飛鳥時代以前の内容では時代の説明と出土品の組み合わせを答えさせる問題がよく出題されます。鎌倉時代以降では様々な文化が発展したということもあって、資料の説明と作品の組み合わせを答えさせる問題がよく出題されます。
各時代の文化、政治、農業、産業を一致させておくのも重要です。例えば第3問の(ウ)では平等院鳳凰堂が造営された時期以降の政治史について聞かれています。単純に平等院鳳凰堂がいつ頃造営されたか、を覚えているだけでは解けないようになっています。
歴史(近代)
- 時系列順に並べ替え
- 戦争前後の経済(貿易)
- 戦争前後の社会の様子(文化)
- 戦争が起きた場所
近代でも並べ替えは頻出です。特に日清戦争、日露戦争、日中戦争、第1次大戦、第2次大戦についてはよく勉強しておいた方が良いです。あとはそれらの戦争と絡めて経済について聞かれることもあります。貿易に関する問題が多いですね。また、同じく戦争に絡めてその前後の社会の様子(文化)の変化についての出題も多いです。
公民(政治)
- 選挙制度、地方自治制度
- 税金
- 人権
- 一票の格差
政治については上3つがよく出題されています。税金や人権については新課程になってから特に力を入れているところで、中学校では夏休みの課題として税金や人権に関する作文を書かせていたりもします。ですので選挙制度や地方自治制度に加えて税金と人権に関する問題は最優先で勉強すべきところです。あとは近年大きく取り上げられている問題、例えば一票の格差、も出題される可能性が高いです。
公民(経済)
- 為替
- 貿易(赤字/黒字)
- インフレ/デフレ
- 金利、流通通貨量
- 人口
- 食料自給率
- TPP
- 日米関係
- 難民
経済に関しては問題パターンが多いですが、為替、貿易、インフレ/デフレ、金利 については基本的な部分なので頻出です。ほぼ間違いなく出題されると考えておきましょう。人口減少や食料自給率、TPP、日米関係など特に日本の抱える問題についての問題も頻出です。近年大きく取り上げられている問題、例えば30年度は難民、も出題される可能性が高いです。
頻出パターンについてはここまでです。次は勉強方法について解説します。
勉強方法
他の科目では「勉強の流れ」という項目でしたが社会の場合は流れを説明しようとしても以下のように単純なものになってしまいます。
- 過去問の研究
- 大問ごとに対策
過去問を最初にチェックするのは「どんな形式で問題が出題されるか」を意識するためです。見るだけではなくできれば問題を解きましょう。早い時期に過去問を解くのはもったいないと思うかもしれませんがそんなことはありません。過去問を解いた後で勉強すると、「あ、これ過去問で出てたな」と意識できるので知識が定着しやすくなります。これは驚くほど効果が高いので必ずやるようにしましょう。
いきなり過去問をやっても解けないと思うので、最初の段階では問題を解くというよりも問題を見つつ解説を読んで、「解くためにはどんな勉強をしたら良いか」を把握するようにしましょう。持っている過去問の全ての年度に目を通して研究しましょう。少なくとも新課程に入った後の分は全てやりましょう。時間はかかりますが、その後の勉強効果を高めるためには必須です。
すでに解説した通り社会は分野ごとに勉強した方が効果的です。しかも各分野はさらに2つに分かれて出題されるので、大問ごとに対策するのが最も効率的です。
勉強の流れというと上記のようにシンプルなもので終わりなので、以下では具体的な勉強方法を解説します。
勉強テクニック
社会はただ問題を解くだけの勉強だと伸びなくなってきます。その原因は出題傾向に合わせた勉強ができていないからです。
伸び悩んできたときには以下のような基本的な勉強テクニックを使って勉強してみましょう。基本的にはノートに整理していくことが重要です。整理の仕方はいくつかありますが、基本的なテクニックは以下のようなものがあります。
- 箇条書き
- 表を作る
- 絵や図で表す
勉強テクニック:箇条書き
箇条書きは、例えば「〇〇の改革」の内容を整理するときに使えます。
『享保の改革』
- 8代将軍・徳川吉宗
- 年貢の強化(税金を高くした)
- 目安箱の設置
- 参勤交代の江戸滞在期間を1年から半年に短縮
コツは「関連して思い出せることは書かない」ことです。「8代将軍・徳川吉宗」が思い出せれば江戸時代というのはすぐにわかるので、わざわざ書く必要はないです。もう一つのコツは「全てを書かない」ことです。享保の改革の内容は上記以外にもありますが、それをあえて書かないようにします。最初に「これだけは覚えよう!」というものだけ書くようにして、必要に応じて後から追加していくのが正解です。
勉強テクニック:表
同じ「〇〇の改革」でも表を使って違う視点から整理することもできます。
享保の改革 | 寛政の改革 | 天保の改革 | |
時期 | 1716年〜 | 1787〜1793年 | 1830〜1843年 |
中心人物 | 8代将軍・吉宗 | 老中・松平定信 | 水野忠邦 |
主な内容 | 省略 | 省略 | 省略 |
江戸の三代改革は必ずおさえておきたいところですが、入試傾向を考えると時系列順に覚えておいたほうが良いです。紛らわしい内容は表を使って整理すると覚えやすくなります。頭文字を使って「享寛天(きょう・かん・てん)の改革」のように覚えるのも有効です。
享寛天(きょう・かん・てん)である必要はありませんが、このように自分で勝手に頭文字だけで覚えたり語呂合わせを作って覚えるのは非常に有効なのでどんどん使っていきましょう。
主な内容については省略しましたが、上記の箇条書きをこの部分に適用すると良いですね。ある程度覚えたら、行を増やしてその当時の文化(例えば有名作家とその作品)などの情報を追加していくということもできます。
勉強テクニック:図
図は例えば以下のように使います。
この図は「東の空の星の動く向きと方向」を教えるときに私がいつも生徒に書かせている図です。半球の黒い線はあらかじめわかっているところで、赤や青のところは自分で考えるところです。番号はその順に考えていけばわかるということを示しています。太陽が(見た目上)東から西に動いて見えるということを知っていればあとは論理的に導き出せることがこれでわかります。単純な暗記ではなく、論理的に導き出すことを身につければ正答率がグッと高まります。
社会でも文字だけで整理してるとわかりにくくなるので、ところどころ図を書いて整理していくとわかりやすくなります。
ちなみにこの図が教科書や参考書、問題集に載っているのを見たことがありません。完全に私のオリジナルです。箇条書きにしろ、表にしろ、図にしろ、教科書などに書いてあるものをそのままノートに写すのはあまり意味がありません。教科書や問題集ではわかりにくい、覚えにくいことを自分で整理するためにこれらのテクニックを使いましょう。
目標〜50点の人の戦略
目標が〜50点の場合は、まず1つの分野で20点取れるようにするのが第1目標です。どの分野から攻めるかは個人差があるので自分が好きな分野から勉強するようにしましょう。すでに書いた通り、歴史は比較的思考力を必要としない分野なのでおすすめです。
例えば以下のように勉強を進めると良いと思います。
- 歴史を20点/35点取れるレベルになるまで勉強する
- 地理を20点/35点取れるレベルになるまで勉強する
- 公民を10点/30点取れるレベルになるまで勉強する
- 好きな分野を強化していく
繰り返しになりますが、社会はまんべんなく勉強すると死にます。あくまでも分野ごとに勉強しましょう。自分が何点取れるレベルにいるのかは、過去問や模試を使って把握できます。
なぜ20点/35点なのかというと、言い方は悪いですが目標〜50点の人は学力が低いので各分野を完璧にしようとすると時間がかかります。20点/35点くらいまではスムーズに上がるので、まずはそこまで一気に上げて、そのあとは他の分野に移るのがベストです。20点/35点からさらに点数を上積みするのは時間がかかるので、そこに時間をかけるよりも、まだ上がりやすい部分が残っている分野に時間をかけた方がお得ですからね。
目標〜70点の人の戦略
目標〜70点の場合も基本は目標〜50点の場合と同じで、分野ごとに強化していくようにしましょう。
- 歴史を20点/35点取れるレベルになるまで勉強する
- 地理を20点/35点取れるレベルになるまで勉強する
- 公民を20点/30点取れるレベルになるまで勉強する
- 各分野を強化する(10点分)
こんな感じですね。目標〜70点としてる受験生なら、上記の勉強方法をしっかり実行すれば各分野で20点/35点はスムーズに取れるようになるはずです。最後の10点分の上積みですが、ここでも分野ごとに強化していくのを忘れずに。
以下、目標が何点でも同じ感じですが一応書いておきます。
目標〜80点の人の戦略
- 歴史を20点/35点取れるレベルになるまで勉強する
- 地理を20点/35点取れるレベルになるまで勉強する
- 公民を20点/30点取れるレベルになるまで勉強する
- 各分野を強化する(20点分)
80点というとトップレベルの学力なので難しいと思われがちですが、ここに書いてあることを実行すればそこまで難しくないです。もちろんそれなりの努力は必要ですが。
目標80点〜の人の戦略
80点以上を目標にする人はほとんどいないと思います。いるとしても合格するのが目的というよりも単純に高得点取りたいだけとかそういう人ですね。
- 歴史を20点/35点取れるレベルになるまで勉強する
- 地理を20点/35点取れるレベルになるまで勉強する
- 公民を20点/30点取れるレベルになるまで勉強する
- 各分野を強化する(20点分〜)
80点以上が目標の場合はいかに素早く①〜③を終わらせられるかがポイントです。70点くらいまでくるとそこから伸ばすのはかなりコストがかかります。④で再び各分野ごとに上積みしていきますが、隙間を埋めるようにインプットしていかないといけないので時間がかかります。
まとめ
最後にまとめておきます。
- 基本的には一番最初に紹介した教材をしっかりやっておけばOK
- 市販教材は神奈川県の入試に特化してない
- 塾教材は神奈川県の入試に特化している
- 社会は分野ごとに勉強できる
- まんべんなく勉強すると死ぬ
- 分野ごとに勉強するのがセオリー
- 暗記だけで得点できる問題は意外と多い
- 組み合わせ、時系列順に並び替えの問題が多い
- 最初に過去問を研究する
- 3回復習が勉強の基本
- ノートに整理する
- 箇条書き、表、図を活用する
ここに書いてあることを実行すれば間違いなく目標点を取れますが、そうは言っても独学するのは不安という方もいると思います。
そんな方はぜひ私の指導を受けてみてください。「いつまでに」「なにを」「どうやれば良いのか」を明確にして合格へ導きますよ!
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