神奈川県公立高校入試

神奈川県公立高校入試 理科の勉強方法 完全版

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神奈川県公立高校入試の理科の勉強方法をまとめました。ここに書いてあることを実行すれば確実に目標点を取ることができるようになります。プロとして10年400人以上を個別指導してきた経験からどの目標点の人にも対応するように解説したので参考にしてみてください。

天体を立体的にイメージできるやつを作ったので、天体苦手って人はこちらの記事も合わせてご覧ください。

moon
「月の満ち欠け」を立体的に理解するためのやつ作った。中3理科の天体で「月の満ち欠け」について勉強すると思うんですが、教科書とかだと平面で解説されてるのでわかりにくいって声をよく聞くのでGeoGebraを使って立体的に理解するやつ作りました。しかも自分で操作できるので理解しやすい!GeoGebra素晴らしすぎる!...

 

2019年の理科については以下の記事をご覧ください。

2019年神奈川県公立高校入試、理科、表紙
2019年神奈川県公立高校入試、理科(易化)の感想2019年の神奈川県公立高校入試の理科は易化しましたね。先日は数学の感想と特に難しかった問題の解説をアップしたので、今回は理科の感想を書きたいと思います。かなり簡単だったので100点とった人もそこそこいたのではないかと思います。...

 

内容がめちゃくちゃ多いので、目次を見て興味あるところから読むことをおすすめします。

これやっとけば間違いないって教材

ごちゃごちゃ読むのがめんどいという方もいると思いますので、最初にこれやっとけば間違いないっていう教材を載せておきます。まず最初に教材の種類を整理しておきます。

  1. 参考書:わからないところを調べる
  2. 総合的な問題集:過去問やる前にやる
  3. 基礎問題集:基本事項を定着させるための問題集
  4. 50点確保用問題集:50点確保するためのやつ
  5. 目標70点以上用の問題集:上位校狙う人向け
  6. 過去問
  7. 模試

この中で必須なのは②⑥だけです。①参考書は3年分の教科書持ってれば必要ないです。③は基礎事項が抜けている人向けです。④は50点を確実に取るようにするための教材です(②をやった後に余裕があれば追加でやるのが良い)。⑤は上位校狙っているけど60〜70点から伸び悩んでいる時に使う教材です。

以下で具体的なおすすめ教材を紹介します。

 

参考書

まずは参考書。

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参考書は3年間の内容が一冊になってるやつが便利です。この3つはどれも同じような感じなので、本屋で手にとって中身を見て良さそうなやつを選んでください。個人的には総合的研究がおすすめです。

 

総合的な問題集

次は総合的な問題集。

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総合的な問題集はこの2つがおすすめです。どちらもほぼ同じなのでこれも中を見て気に入った方を選びましょう。個人的には「超効率問題集」の方がおすすめです。

使い方としては、参考書や教科書と併用して使うのがベストです。「問題集を解いたら丸付けをして解説を読み、参考書or教科書でわからないところを調べる」というのが基本的な使い方です。

似たような問題集で以下のものがありますが、これは少し内容が薄いのでやめておきましょう。目標が50点以下の人で内容が多すぎるのは嫌だという人は使ってもいいと思います。

 

基礎問題集

基礎知識を効率的に学習できる問題集としては以下のものがおすすめです。

これは各単元の基礎知識を一問一答形式で身につけるための教材です。暗記で回答できる問題はもちろんですが、大問を解くためにも基本知識が必須です。基本知識は教科書を読むのが一番理解しやすいですが、それだけでは身につきにくいです。理解→問題演習の流れで勉強するのが最も身につきやすいです。これはその問題演習をするための教材ですね。

上記の総合的な問題集はこの教材レベルの基本知識には重点を置いていないので、それを補うにはもってこいです。

 

50点確保用の問題集

50点分を確保するための問題集は以下のものがおすすめです。

読んで字のごとくですが、実際の入試で50%以上の受験生が解けた問題を集めた問題集です。受験成功のポイントは「みんなが解ける問題を落とさないこと」です。掲載されている問題は50%以上が解ける問題なので比較的簡単な問題が多いです。この教材をマスターすれば40〜50点分は確保できるようになります。総合的な問題集、過去問と合わせて使えばほとんどの人が60点は取れるようになるはずです。

目標点が50点の人はもちろん、それ以上を目指す人が得点を安定させるために使うのがおすすめです。

 

目標70点以上用の問題集

50点からさらに上積みするための教材もあります。上記と同じシリーズですね。

これも読んで字のごとく、入試で50%以下の人しか解けなかった問題を集めた問題集です。やや難しい問題が載っているので70点以上を目指す人におすすめです。あくまでも上積みするための教材なので、基本標準レベルが身についていない人は使わない方が良いです。

 

70点以上(上位校)を目指す人向けの問題集はもう一つあります。

この教材は上位校を目指す人向けの教材です。問題を理解したり解くためのテクニックが満載ですが、それを理解し使いこなすのが難しいので目標が70点未満の人にはおすすめしません。同業者の視点からするとよくここまでテキストに落とし込めたなあと関心する内容ですが、それだけに扱うのも難しいです。個人学習に向いているとは言い難いですね。

 

過去問

受験勉強で最も重要なのは過去問演習です。基礎学習が終わったら出題傾向の問題をたくさん解くのが最も効果的なので、過去問は収録年数が多いものがおすすめです。上のやつは6年分、下のやつは12年分入ってます。下のやつはネットでしかも無料で質問できるのが良いですね(実際に質問したことないのでどんな感じかは知りませんが)。

2015年度から新課程になったのでそれ以前の入試問題は現行の入試問題と少し出題傾向が変わっていますが、それでも十分練習になるので過去問は掲載年数が多いものを選ぶのが正解です。

解説についてはどれも似たようなものなのであまり気にしなくても良いと思います。この問題はこう解いた方が良いなど細かい所を見ればキリがないですしね。

 

違う視点からもう一つの過去問を紹介しておきます。

これは各都道府県の入試問題を分野別に収録したものです。中学生が勉強する内容は指導要領で決まっているので自ずと入試問題も似通っているんですが、ほかの都道府県の問題は練習するにはもってこいなんですよね。

この「全国高校入試問題正解」は分野別になってない(都道府県別になっている)ものもありますが、分野別の方が使いやすいです。

過去問、模試をやってさらに強化したい問題パターンや分野がある場合は追加で使うと良いですね。ここまでやれば目標点を取れる確率がMAXになります。値段が高いのが難点ですが。

 

模試

模試は定期的に受けた方が良いです。「W合格もぎ」と「全県模試」が有名ですね。塾に通っている受験生はこのどちらかを受けている人が多いと思います。

実はこの二つの模試はネットで購入することができます(以下のリンク先参照)。

新教育SchoolGuideWeb:W合格もぎ

伸学工房:全県模試

塾に通ってなかったり、ギリギリで通い始めた人は自分で模試を購入して練習するとかなり効果的です。過去問と合わせてやれば入試対策はバッチリです。もちろん、判定や偏差値は算出されないのでその点は実際に模試を受けるのには劣りますが、本番に限りなく近い形での問題演習は効果的です。

 

塾教材について

市販の教材よりも塾の教材の方が圧倒的に優秀です。なぜかというと市販の教材は全国の公立入試全般に対応した教材しかありませんが、塾教材は神奈川県の入試に特化しているからです。下記の教材はその代表例です。この教材を使うためだけに塾に通う価値はあります。

オリジナルの教材を使っている塾も少なくないですが、それもかなり有効です。私の経験上、講師の質は当たり外れ(とくに外れ)が大きいのでその点では塾に通うメリットはあまりありませんが、塾の教材はその価値が大いにあると言えます。

ちなみに私は仕事柄、これらの塾教材を入手することが可能なので、私の生徒には市販教材ではなく必ず塾教材を使わせています。ホントにかなりの差がありますからね。特に学力的に中の上以下の生徒は結果に大きな差が出ます。

塾で使う教材の中で「これ使っときゃ間違いない」っていう教材もリストアップしておきます。

  1. Iワーク/オリジナルテキスト/新中学問題集(通常学習用)
  2. 県トレ
  3. GetThrough
  4. 極める〇〇

①は通常学習用(学校対策用)です。新中学問題集はやや難しいので中高一貫校の生徒がよく使いますが、公立生でも学力が高い生徒には使わせることもあります。

②〜④が入試用の問題集です。②+③とか③+④の組み合わせで買わせることが多いですね。70点以上を目指す場合は三つとも買わせることもあります。

塾教材はこの3つを使えば間違いないです。そこそこ頭の良い受験生ならこの3つと過去問があれば80点以上取れるようになるので、十分と言えるでしょう。

他にも用途に合わせて色々ありますが、長くなるので省略します。

 

教材紹介はここまでですが、問題傾向を知った上で勉強しないと効果が薄いので、ここから先は入試問題について理解するための解説をしていきます。

ここに書いてあるコツ・ポイントを意識して勉強すれば確実に目標点に到達できるので、ぜひ目を通して見てください。

 

問題構成と配点

まずは問題構成と配点を見てみましょう。ここでは平成30年度の問題を参考にします。

問1 物理・小問集合 3点×3 9点
問2 化学・小問集合 3点×3 9点
問3 生物・小問集合 3点×3 9点
問4 地学・小問集合 3点×3 9点
問5 物理・大問(実験) 4点×4 16点
問6 化学・大問(実験) 4点×4 16点
問7 生物・大問(実験) 4点×4 16点
問8 地学・大問(グラフ) 4点×4 16点

 

理科の問題は毎年、非常にシンプルな構成です。4つの分野でそれぞれ小問集合と大問があり配点も各分野で合計25点です。分野ごとに偏りがあると公平性がなくなるので当然ですね。この構成は基本的に変わらないと考えて間違いないでしょう。

そのほかの年度の問題はこちらを参照してください。

 

理科の問題の特徴

理科の問題の特徴をまとめておきます。勉強の方針を決める上で重要なポイントですので、しっかり読んでおきましょう。

  • 分野ごとに独立して勉強できる
  • 暗記で対応できる問題はわずか
  • まんべんなく勉強すると死ぬ
  • 記述は1〜2問(4〜8点分)しかない
  • 対照実験は頻出
  • 70点以上を狙うなら計算問題の回答は必須

以下で1つずつ解説していきます。

 

分野ごとに独立して勉強できる

英語や数学はいわゆる積み上げ型と言われる科目で一つ前の学年の内容ができないと次の学年の内容が理解できませんが、理科は分野ごとに独立して勉強ができます。

例えば生物の内容を勉強するのに物理や化学の知識は必要ないので、生物だけ一気に勉強することができるということです。ただし、分野内では積み上げ型になるものもあります。例えば、化学分野がそうです。

ですので、理科は分野ごとに一気に勉強するのが基本です。中1内容→中2内容→中3内容と進めるよりも、生物→地学→物理→化学のように分野ごとに勉強した方が圧倒的に身につきやすいです。どの分野から受験勉強を始めるかは学校の進度によります。全て終わった分野があればその分野からやるのが良いでしょう。

分野ごとに勉強する方法は特に学力が低い人にオススメです。なぜかというと、学力が低い人は多くのことを短期間にインプットしすぎると知識が混乱するからです。特に分野をまたいで勉強すると前に勉強した分野の内容をものすごい速さで忘れていきます。1つの分野を重点的に勉強しその分野の知識をしっかり定着させることで、それを防ぐことができます。

これは定期テストでも同じことが言えます。学力が低い、成績が伸びない人の特徴として、「全ての問題をまんべんなくやろうとしている」というのが挙げられます。まんべんなく勉強しても中途半端になるだけで得点に結びつかないことはよくあります。100点満点中50点が目標なのに100点分を全て勉強しちゃうのが代表例です。まずは50点分を確実に取れるように勉強する範囲を絞って勉強するのが正しい勉強方法です。

 

暗記で対応できる問題はわずか

問題を眺めてみるとわかりますが、丸暗記で得点できる問題はごくわずかです。多くても20点程度です。平成30年度の問題だと、

  • 問2(ア)(イ)
  • 問3(ア)(イ)
  • 問4(ア)(イ)
  • 問7(ア)

の合計22点分くらいです。

20点というと全体の20%もありますが、どこが暗記で対応できる問題として出題されるかは予想できないのでコスパは悪いです。悪いですが、それでも勉強しないといけないのがつらいところ。

各単元の基本事項をしっかり暗記するようにしましょう。特に生物分野は最優先で覚えないといけません。

 

まんべんなく勉強すると死ぬ

暗記だけで解ける問題が20点分程度出題されるので、各単元の基本事項はまんべんなく勉強しておかなければいけませんが、それより上のレベルはまんべんなく勉強すると死にます。

例えば大問には基本的な知識で解ける問題も含まれていますが、実験の問題では中途半端に勉強しても解けない問題が多いですし、どの単元が出題されるか予想できないというのもあるので、基本事項の学習が終わったら分野ごとに勉強していくのがセオリーです。

最優先で勉強すべきは「生物」です。生物は比較的理解しやすいので優先度が高いですが、このへんは個人差も大きいので自分が得意な分野から攻めましょう。得意な分野がない場合は「生物」から。

 

記述は1〜2問(4〜8点分)しかない

平成30年度の問題を見ると第7問(ウ)のみ記述です。それも知識としては標準的なレベルなのでそこまで難しくないです。対話文の中の空欄を埋める形というのも正答を導き出しやすいと思います。

平成29年度の問題は記述説明が2問出題されていますが、難易度が高くなりすぎたためか平成30年度では1問になりました。今後も記述説明問題は1〜2問の出題になると考えておくと良いと思います。ですので、70点以上を狙う人以外は特に時間をかけて記述説明の勉強する必要はありません。それよりも50点分を確実に取れるように勉強しましょう。

記述式の問題の出題内容としては実験の手順に関するものが多いので、それぞれの実験手順で「なぜその手順が必要なのか?」というのを意識的に理解しながら勉強すると良いでしょう。

「なぜ」を説明できるようにしておけば、記述の練習そのものは必要ないでしょう。高得点狙いの人は最後の仕上げにやっておく程度ですね。

 

対照実験は頻出

大問は実験の問題が多いですが、対照実験に関するものが頻出です。例えば生物では呼吸やデンプンの有無を調べる実験問題でよく出題されています。

対照実験というのはある条件Aの効果を確かめるために他の条件を同じにしてある条件Aだけを変えて行う実験のことです。

例えば平成30年度の問題だと第6問や第7問が対照実験の問題です。

対照実験の問題は論理的思考が問われるので、短期間でレベルを上げるのは難しいです。特に学力が低い人は解説を読んでもよくわからないことが多いので、ちゃんとした指導を受けた方が良いでしょう。特に一人一人の「できない」に合わせた指導を受けられる個別指導がおすすめです。

 

70点以上を狙うなら計算問題の回答は必須

解くためには計算が必要な問題も20点程度出題されます。平成30年度だと、

  • 問2(ウ)
  • 問5(ア)(イ)(ウ)
  • 問7(エ)

の19点分ですね。

他の問題を全て解ければ計算が必要な問題は解けなくても良いですが、実際にはそうは行かないので70点以上を狙うなら計算問題も練習しておく必要があります。逆に言うと目標が70点以下なら無理して計算問題を練習しなくても良いということです。

 

計算が必要な問題には大きく分けて2レベルあります。

  1. 公式をそのまま使う問題
  2. 比の考えを理解してないと解けない問題

例えば平成30年度の問題だと問2の(ウ)や問5(ア)は①の問題で、問5の(イ)(ウ)は②の問題です。一般的には②の方が難しいです。

①の問題は公式を覚えていれば解けるので、70点以上を目指す人でもまずはこちらの問題を解けるようにするのが重要です。圧力や仕事の計算などは頻出なので特によく練習しておく必要がありますが、ここも暗記とほぼ同じなのでどの単元が出題されても解けるようにまんべんなく勉強するのが正解です。

②のタイプの問題は出題される単元がある程度限られていますが、理解するのが苦手な人も多いです。比の関係が理解できれば、どの単元の問題でも対応できるので個人的には楽なんですが、一般的にはそうじゃない人の方が多いようです。苦手な人は無理にこのタイプの問題を勉強せずに他のタイプの勉強を優先しましょう。

 

頻出パターンについて

毎年必ず出題される頻出パターンと言うものはありません。過去問を見るとわかりますが、出題形式は似ているもののどの単元が小問/大問で出題されるのかは年度によって異なるのでこの問題さえやっておけばOKという問題はありません

ただし、出題可能性が高い問題はある程度までは絞れるのでそれをまとめておきます。各分野で中3の内容が大問で出題されやすい傾向があります。

生物分野の大問での頻出単元

  • 植物の呼吸
  • 光合成/デンプン
  • 遺伝法則

生物分野の大問はこの3つが頻出です。植物の呼吸では蒸散や気孔の仕組みや働きに関する対照実験がよく出題されます。光合成とデンプンでも対照実験の問題が頻出です。遺伝法則では子や孫の遺伝子の組み合わせを答えさせたり、その比を計算させる問題が多いです。

 

地学分野の大問での頻出単元

  • 月の満ち欠け(金星もあり得る)
  • 太陽の日周運動
  • 地層(断層、しゅう曲など)
  • 地震(計算問題含む)

地学分野では天体や地震、地層の問題が大問でよく出題されています。金星では明けの明星、宵の明星に関する知識が問われる可能性が高いです。地層は「どの順に地層が積もったか」が問われることが多いです。地震の問題は地震発生の時刻を計算させたりする問題が出題される可能性が高いです。

 

物理分野の大問での頻出単元

  • 運動とエネルギー
  • 電流と回路
  • 仕事

どの単元が出題されるにしても小問の1つは計算が必要な問題が出題される可能性が高いです。公式を当てはめるだけの問題の場合は良いですがそうでない場合は「比」を理解しておかないと解けない問題が多いので、十分トレーニングしておきましょう。運動とエネルギーでは位置エネルギーと運動エネルギーの関係(特にグラフ)も出題可能性が高いです。

 

化学分野の大問での頻出単元

  • 酸化と還元
  • 電池
  • 酸とアルカリ
  • 中和/イオン

物理分野と同じく比による計算問題が最低でも1問は出題される可能性が高いです。質量保存の法則をしっかり理解しておかないと解けない問題が多いです。実験で生成される化合物やその特徴はもちろん暗記しておかないといけません。中和では水溶液中のイオンの量をグラフで答える問題や水溶液中のイオンの様子をモデル図で答えさせる問題が考えられます。

 

勉強の流れ

問題構成と出題傾向がわかったので、次は大まかな勉強の流れを載せておきます。

  1. 過去問をチェック
  2. 全ての分野の基本事項を勉強する
  3. 生物分野の大問をトレーニングする
  4. 残りの分野の大問をトレーニングする
  5. 計算問題①をトレーニングする
  6. 計算問題②をトレーニングする

過去問を最初にチェックするのは「どんな形式で問題が出題されるか」を意識するためです。できれば問題を解きましょう。もったいないと思うかもしれませんがそんなことはありません。過去問を解いた後で勉強すると、「あ、これ過去問で出てたな」と意識できるので知識が定着しやすくなります。これは驚くほど効果が高いので必ずやるようにしましょう。いきなり過去問をやっても解けないと思うので、問題を解くというよりも問題を見つつ解説を読むのが良いですね。持っている過去問の全ての年度をやるのがベストです。少なくとも3〜4年分はやりましょう。時間はかかりますが、その後の勉強効果を高めるためには必須です。

そのあとは基本事項の勉強からスタートするのがセオリーです。早い時期(例えば夏休みあたり)から受験勉強をスタートする場合は学校で中3内容がまだ終わってないので、中1中2内容を中心に勉強を進めるのが正解です。

基本事項の勉強がある程度終わったら分野毎の大問対策に入ります。

計算問題のトレーニングのタイミングは各分野の大問トレーニング時にやるのもありですが、それは目標点数が70点以上の場合ですね。

すでに書きましたが分野ごとの大問トレーニングは必ずしも生物からやる必要はないです。どの分野からやるかは個人差があるので、自分の得意なところから攻めましょう。

 

理科の場合は主に2パターンの勉強方法があります。

  1. 分野ごとに攻める(生物→他の分野)
  2. 小問集合+大問(ア)レベルから攻める

時間がない場合や目標が50点程度の場合は①がおすすめです。繰り返しになりますが中途半端にまんべんなく勉強しても点数に結びつかないので、分野ごとにある程度の得点を確定させていく方がリスクは低くなります。

一方で50点以上欲しい場合は②の方法がおすすめです。50点以上取るには小問集合を確実に得点し大問で上積みしていかないといけません。大問(ア)は比較的簡単な問題で、小問集合と同じレベルなのでまずはそこを攻めます。

②の場合の勉強のイメージは、参考書と問題集をひと通り解くけど難しい(と感じる)問題は100%できなくてもOK、解説を読んで理解できる問題は復習を繰り返して100%解けるようにしていく感じです。

以下では②の方法をベースに解説します。

 

目標〜50点の人の戦略

目標〜50点の場合は小問集合や大問(ア)で点数を稼ぐのがセオリーです。小問集合で30点/36点、大問(ア)全て正解で16/64点、合計46/100点が目標になります。

この目標レベルの場合、「捨てる」ことを意識するようにしましょう。まんべんなく勉強しても得点に結びつかないので、「まずはこの分野を勉強しよう!」と意識して勉強するのが成功の秘訣です。

小問集合の勉強でも同じことが言えます。まずは生物分野の基本事項だけマスターするつもりで勉強するのがコツです。そのあとで他の分野の基本事項に進みます。多くの教材は「基本」「標準」「応用」のようにレベル別になっているので、まずは「生物の基本問題をマスターする」などから始めましょう。

 

目標〜70点の人の戦略

目標〜70点の人は小問集合+大問(ア)レベルで46点程度取れるようになったら、分野ごとに大問レベルの問題を練習しましょう。優先度が高いのはやはり生物です。

例えば以下のような得点が理想的です。

  • 問1〜問4で30/36点
  • 問5(ア)(イ)8/16点
  • 問6(ア)(イ)8/16点
  • 問7(ア)(イ)(ウ)12/16点
  • 問8(ア)(イ)(ウ)12/16点
  • 合計70/100点

計算が必要な問題②(比の考えが必要なもの)は受験生が最も苦手とする問題なので、その問題は最悪解けなくても70点は十分取れます。その代わり他の問題を確実に得点する必要があります。

基本的な勉強方法は目標〜50点の場合と同じです。基本レベルの問題だけだと簡単すぎてつまらない場合は標準レベルまで一気にやってしまいましょう。

 

目標〜80点の人の戦略

目標が〜80点の場合、小問集合はノーミスでいきたいところです。さらに大問も1つは完答しないといけません。勉強の進め方は小問集合→大問を分野ごとに、という流れで同じです。

  • 問1〜問4で36/36点
  • 問5(ア)(イ)8/16点
  • 問6(ア)(イ)8/16点
  • 問7(ア)(イ)(ウ)16/16点
  • 問8(ア)(イ)(ウ)12/16点
  • 合計80/100点

小問を1つでも落とすとかなりキビシイです。大問で取り返すのは容易ではないですからね。

 

目標80点〜の人の戦略

理科で80点以上を取る必要がある人はほとんどいないと思いますが一応書いておきます。目標が80点〜の場合、小問集合はもちろん完答ですが、大問も2問以上完答しないといけません。

  • 問1〜問4で36/36点
  • 問5(ア)(イ)12/16点
  • 問6(ア)(イ)12/16点
  • 問7(ア)(イ)(ウ)16/16点
  • 問8(ア)(イ)(ウ)16/16点
  • 合計92/100点

このレベルになると全ての分野を完璧にして初めて狙えるくらいですね。本番で多少のミスはつきものなので。

 

ここまでは「どこで何点取るか」という話でした。「具体的な勉強方法が知りたい!」という人が多いと思うので、以下で基本的な勉強方法について解説します。

 

教科書(参考書)と問題集の使い方

教科書(参考書)と問題集の基本的な使い方は以下の通りです。教科書がない場合は参考書を使いましょう。

  1. 教科書で単元Aを読む
  2. 問題集で単元Aを解く
  3. 解いたら丸付け&解説読む
  4. 問題集の解説でわからなかったところを教科書で探して読む
  5. 教科書で単元Bを読む
  6. 問題集で単元Bを解く
  7. 解いたら丸付け&解説読む
  8. 問題集の解説でわからなかったところを教科書で探して読む
  9. 以下繰り返し

基本的にはこれだけです。レベルに応じて「応用問題」は捨てる、保留するなどするのが良いですね。当たり前と言えば当たり前なんですが、問題集だけ解いて終わる人が結構いるので一応書いておきました。

あとはちゃんと復習するとが重要です。復習の仕方については次の項目で解説してあります。

 

理科の点数が伸びない原因

「理科の点数が伸びない!」と困っている人も多いと思いますが、その原因は主に2つあります。

  1. 自分がどの単元のどの問題を勉強すべきかを把握せずに勉強している
  2. 難しい問題を簡単な問題と同じように勉強している

 

原因①は理科の問題パターンが多いことが要因です。分野は4つしかありませんが、中1〜中3まで合わせると数十の単元に分かれます。どこが出題されるかわからないので、それらを網羅的に勉強しないといけない(ように思える)のが混乱の原因です。

原因②は例えば、小問集合は「理解」→「問題演習」→「解説読む」→「復習」という流れがスピーディにできますし、自然とそうやっている人もいると思います。その流れで大問も同じようにやってしまいがちですが、これだけだとなかなかレベルは上がりません。

大問を解くには論理的な思考力が必要です。慣れていないとその思考の流れを理解し再現・応用することが難しいです。そして、そうなるまでにはかなりの時間が必要です。

 

「自分がどの単元のどの問題を勉強すべきかを把握せずに勉強している」の解決方法

このような勉強をしている人は闇雲に問題演習をしていることが多いです。言い換えると「ただ数をこなすだけになっている」ことが多いです。

やることがたくさんあるので焦ってしまい、どんどん先に進もうとしてしまいますがそのような勉強をしていると次から次へと忘れていきます。

勉強の基本は復習ですので、先に進むよりも復習する時間を増やしましょう。

私はよく「3回復習」をするように生徒に教えています。やり方は簡単で、以下のようにやればOKです。

  1. その日勉強した内容を寝る前に復習する
  2. 前日勉強した内容を次の日に復習する
  3. 月曜〜土曜に勉強した内容を日曜に復習する

この3段階の復習をするだけでかなり効果があります。

復習は目を通すだけだと効果が薄いので必ず「問題演習」をするようにしましょう。全ての問題を復習する時間はないので、問題演習の時に○△×の印をつけて管理することをおすすめします。各印については以下のように分類しておくと良いと思います。

  • ○:完全に理解してるし解けた問題
  • △:いまいち理解してないorケアレスミスした問題(解説読めばわかる)
  • ×:全くわからない(解説を読んでもわからない)

 

勉強が苦手な人はこれをまずは単元ごとに知識を確定していくのがおすすめです。例えば中3・酸とアルカリを上記のように勉強して、ひと通り酸とアルカリの単元が一通り終わったら、最後に全ての問題を解き直すようにしましょう。

そうすることで知識の定着率がグッと上がります。「こんなに復習しないといけないの?」と思うかもしれませんが、その通りです。めんどくさいかもしれませんが、これをやれば確実にレベルは上がります。ほとんどの人は勉強ができないのではなくて、やらないからできないだけです。

 

「難しい問題を簡単な問題と同じように勉強している」の解決策

解決策を簡単に言えば「じっくり勉強する」ですね。

この問題の最大の要因は「理解した気になっている」ことなので、それを防止するにはじっくり腰を据えて勉強するしかありません。もう少し具体的に言うと「説明できるようにする」です。

ある問題や考え方について他の人に自信を持って説明できるようになれば、確実にその問題は解けます。逆にあやふやなところがあれば説明はできませんし、そのあやふやなところが致命的となり問題が解けなくなります。

「説明できるようにする」というのも「3回復習」と同じように私がいつも教えていることです。

勉強した内容を人に説明するとめちゃくちゃ勉強できるようになるんですよね。これ超重要なので覚えておいて損はないですよ。

具体的には「箇条書きにする」「図を書く」「表を作る」など勉強の基本的なことをひたすら繰り返すだけですが、個人学習でこれをやるのは難しいです。ちゃんとした指導者と対話を繰り返しながら自分が理解できているところ、できてないところを丁寧に整理していかないければいけません。

「箇条書き」、「図を書く」、「表を作る」については社会の勉強方法のところに詳しく書いてあるので参考にしてください。

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まとめ

最後にまとめておきます。

  • 基本的には一番最初に紹介した教材をしっかりやっておけばOK
  • 市販教材は神奈川県の入試に特化してない
  • 塾教材は神奈川県の入試に特化している
  • 理科は分野ごとに勉強できる
  • まんべんなく勉強すると死ぬ
  • 目標が70点以上の場合は計算問題の回答は必須
  • 逆に言えば目標が70点以下の場合は無理に計算問題を勉強する必要はない
  • 「基本事項→分野毎に大問対策」が勉強の流れの基本
  • 頻出パターンは最優先で勉強する
  • 3回復習が勉強の基本

だいたいこんな感じですかね。

 

ここに書いてあることを実行すれば間違いなく目標点を取れますが、そうは言っても独学するのは不安という方もいると思います。

そんな方はぜひ私の指導を受けてみてください。「いつまでに」「なにを」「どうやれば良いのか」を明確にして合格へ導きますよ!

まずはSkypeでの体験指導or無料相談からどうぞ。ご希望の方は以下のボタンをクリック(タップ)してコンタクトフォームへお進みください。

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神奈川県公立高校入試 社会の勉強方法 完全版神奈川県公立高校入試の社会の勉強方法をまとめました。ここに書いてあることを実行すれば確実に目標点を取ることができるようになります。プロとして10年400人以上を個別指導してきた経験からどの目標点の人にも対応するように解説したので参考にしてみてください。...

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