今回でシリーズ5回目です。今回は中国地方の5県です。前回までと同様に学力検査と評定の比率を中心に調べましたが、中国地方の全日制の一般選抜制度は大きな差はありませんでした。あと山口県の資料がクソでしたね。
今までは主な選抜方法について調べてたんですが、本来の目的(全日制の一般選抜について調べる)を考えるとあまり意味ないし、手間がかかるので今回から一般選抜だけどんどん書いていくことにしました。
前回の記事も合わせてご覧ください。
岡山県の公立高校入試制度
岡山県の一般選抜は相関表を用いて選抜するタイプのようです。
まず学力検査ですが、各教科70点満点、合計350点満点です。
調査書の評定は3年分を使いますが、以下の3つを合計。
- 第3学年のサブ4教科(音楽、美術、保健体育、技術・家庭)の評定(20点満点)
- 第3学年の9教科の評定の合計×2(90点満点)
- 第1学年と第2学年の9教科の評定の合計(90点満点)
ここまでを学力検査と評定についてまとめると以下のようになります。
学力検査:主要5教科:サブ4教科=350:100:100
主要5教科とサブ4教科でまとめると以下のようになります。
主要5教科:サブ4教科=450:100
これは一般的な比率ですね。
具体的にどう選抜するかというと、いわゆる「総合的に判断する」タイプのようです。数値化して機械的に上位90%を合格にするような選抜方法じゃないってことですね。相関表を使って選抜するっぽい。
とりあえず第1選抜で募集90%合格させて残りは第2選抜でって感じですね。面接は選択式のようですが現状どこの高校も実施しているみたいです。
参考:岡山県ー高校入試情報
山口県の公立高校入試制度
山口県ですが、資料はありますがそれを読んでも具体的にどう選抜するのか全くわかりませんでした。たまにあるんですよねこのパターン。どういうつもりで資料作ってるんでしょうね。
このパターンの場合はいつもの通りですが資料の文面から推測するしかないです。
まぁ良く見る文章なんですが、項目アに書いてある”調査書の「学習の記録」と学力検査は同等に取り扱う”というのは他県の制度から考えると、得点化してるとすれば同じ比率にするということです。学力検査が各教科50点満点、合計350点満点なので調査書もそれと同じくらいの配点になるはずです。
あと、制度としてわかるのは項目イのところにある「調査書等による選抜」ですね。これは調査書、面接などを重視する選抜だと考えられます。資料を見ると以下のような表があります。
「調査書等による選抜」は募集人員の10%とか20%というところが多いですね。また、面接は各校の選択式ですが実施するところが多いようです。
以上、山口県についてわかるのはここまでです。一応、deskstyleという家庭教師紹介サイトに評定は3学年合計で135点満点という情報がありましたが、公式資料からは見つけられませんでした。こういう情報はローカル塾が強いですよね。この情報が正しいかどうかは知りませんが。
参考:山口県ー高校入手情報
広島県の公立高校入試制度
広島の全日制の一般選抜は以下のようになっています。
まず、学力検査は各教科50点満点、合計250点満点です。評定は3学年分使用し、サブ4教科は2倍、それらの合計190点を130点満点に換算します。学力検査と評定をまとめると以下のようになります。
学力調査:主要5教科:サブ4教科=250:48:82
教科に注目してまとめると以下のようになります。
主要5教科:サブ4教科=298:82
この比率は岡山県と同様に一般的な値だと思います。
広島県はこの他に、定員の20%以内で、学力検査を重視した選抜、調査書を重視した選抜を行う高校もあります。
例えば、広島国泰寺では20%の枠で学力:調査書=8:2の比率で選抜します。
参考:広島県ー高校入試情報
鳥取県の公立高校入試制度
鳥取の一般選抜は以下のようになっています。
まず学力検査ですが、各教科50点満点、合計250点満点です。評定は第3学年だけなのかな?(第3学年のサブ4教科は2倍というのはわかるが)。
ここまでの情報から学力検査と評定の比率をまとめると以下のようになります。
学力検査:主要5教科:サブ4教科=250:25:40
ただ、各校で学力検査と評定の比率を2:8〜8:2の幅で選べるので、実際には各校の設定を見ないとわかりません。
例えば鳥取東では「調査書の合計評定:学力検査の合計得点=130:250」となってます。おそらく評定合計を2倍して計算してますね。この場合は、上記比率は以下のようになります。
学力検査:主要5教科:サブ4教科=250:50:80
これを教科だけに注目してまとめると以下のようになります。
主要5教科:サブ4教科=300:80
この値は、広島などと同様に一般的な比率ですね。ちなみに面接はほとんどの高校で実施しているようです。
参考:鳥取ー高校入試情報
島根県の公立高校入試制度
島根県の一般選抜は以下のようになってます。
学力検査は各教科50点満点、合計250点満点です。評定は3学年分使いますが第3学年だけ2倍して合計180点満点、さらに調査書は評定(学習の記録)以外の特別活動の記録が10点満点で得点化されます。これらを素点として、各高校が決めた調査書と学力検査の比率(80:20、70:30、60:40、50:50、40:60)で換算し評点とします。
よくわかんないですが上記の表間違ってないですかね?これ見る限り、特別活動の素点をベースに調査書が絶対に60となるようになってません?特別活動の記録が10点満点だとすると学習の記録は50点満点のはずでは?特別活動の記録が9点満点という設定の高校ならいいけど。
これだとわかりにくいので、他の表を見て見ましょう。
どうも、私が考えてる計算方法と違うらしいですね。学習の記録の評点は特別活動の記録をベースにして計算してるようです。
例えば石見くんの場合、まず特別活動の素点が8点なので、個人調査報告書の比率60から8を引いた52点が学習の記録の満点となります。石見くんの学習の記録は176点なので、評点は52×176/180=50.8444…となります。小数点以下は切り捨てとあるので、評点は50となります。よって個人調査報告書の評点は合計で50+8=58。
一方、学力検査は40×195/250=31.2となります。こちらは小数点以下切り上げなので32点となります。
よって石見くんの合計評定は58+32=90となります。
変な計算ですねこれ。まぁ上述の私が考えた計算方法と比べても結果に差はないのでスルーして先に進みます。具体的な選抜方法は以下のようになっています。
めちゃくちゃわかりにくい書き方ですねこれ。素直に上位80%の人は合格って書けばいいのに。
とりあえず重要なとこだけわかりやすく説明すると、調査書と学力検査のどちらにおいても定員の上位80%以内にいる人は原則合格です。残りは調査書、学力検査の結果などを総合的に判断して決めるってことですね。
島根は資料はちゃんと明文化されてるのでいいですが、計算方法や説明の書き方がわかりにくいですね。
ちなみに、というかそもそもこれを調査してたんですが、調査書と学力検査の比率が60:40で学習の記録以外の部分の評点が10点の場合の学力検査と評定の比率をまとめると以下のようになります。
学力検査:主要5教科:サブ4教科=40:28:22
これを教科だけに注目すると以下のようになります。
主要5教科:サブ4教科=68:22
これも広島などと同様に一般的な比率ですね。
参考:島根県ー高校入試情報
まとめ
中国地方は他の地方と比べて資料がちゃんとしてるところが多いですね。山口県は要改善です。ちゃんと資料が揃ってるところは島根ですが、計算方法と説明がわかりにくかったですね。
細かい点は異なりますが、中国地方の全日制の一般選抜については各県で大きな差はないと言えるでしょう。
神奈川県公立高校入試、都立高校入試、大学入試で個別指導18年、オンライン指導8年の私がマンツーマンで丁寧に指導します。
- 対象学年:中学生、高校生、浪人生
- 指導科目(高校):数学、物理、大学受験指導
- 指導科目(中学):数学、理科、高校受験指導
- 指導形態:SkypeまたはZoomによるオンライン指導
- 指導曜日・時間:要相談
- 料金:1時間6,000円(税別)→5,000円(2月3月指導開始の方だけ!)
- 体験指導:60分(ヒアリング含む)
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