中部地方の公立高校入試における学力検査と評定の比率についてまとめました。今回がシリーズ最終章。中部地方は他の地域に比べて公式資料がクソっていうところが多かったです。比較的まともなのは愛知と静岡くらいでした。
この記事では主に公立高校入試、全日制、一般選抜の学力検査と評定の比率および選抜方法についてまとめてあります。
前回は近畿地方についてまとめたのでそちらも合わせてご覧ください。
愛知県の公立高校入試制度
愛知県の制度は複雑でわかりにくいですね。
まず、学力検査は各教科22点満点、合計110点満点です。評定はこの文面からは確実なことは言えませんが、おそらく第3学年の評定だけ使うタイプのようです。第3学年を2倍して90点満点ですね。サブ4教科を2倍のような調整はないですね。
多くの県では評定を○倍とかする方式ですが、愛知は学力検査の点数を圧縮する方式なんですね。
学力検査と評定の比率をまとめると以下のようになります。
学力検査:主要5教科の評定:サブ4教科の評定=110:50:40
教科だけに注目すると以下のようになります。
主要5教科:サブ4教科=160:40
この比率自体は一般的な値ですね。
次は具体的な選抜方法。
めちゃくちゃわかりにくいですが、第1段階は学力検査と調査書の合計点で順位を決めて募集人員内にいる人が合格っていうよくある方式です。
第2段階は各校が以下の方式の中から1つ選んで評定と学力検査の比率を決めて計算する方式です。
- 評定:学力検査=1:1
- 評定:学力検査=3:2
- 評定:学力検査=2:3
この方式を採用している都道府県の中ではシンプルな選択肢ですね。ちなみに、普通科では圧倒的に3の比率を選ぶところが多いですね(約60%の高校)。
参考:愛知県の高校入試情報
静岡県の公立高校入試制度
静岡県は要項が見当たらず。こりゃクソ枠かと思いきや、「公立高校をめざすあなたへ1」という資料を見つけました。いわゆる受験生向けの資料ですね。2もありますがそれは後ほど。
もしかしたら、今まで「資料がクソっ!」とか言ってた都道府県も受験生用の資料見れば情報ありそうですね。とりあえずこの記事書き終わったら探してみます。
静岡県の一般選抜は共通枠と学校裁量枠の2つに分かれています。共通枠がいわゆる普通の一般選抜で、学校裁量枠は学校の裁量で何を重視するか決めれる選抜ですね(理数、スポーツ、芸術など普通科以外が多い)。
共通枠で重要なのはこれです。
どうやら静岡県は学力検査と評定の合計点で選抜する方式では内容ですね。「学力検査で上位」かつ「評定で上位」の人が合格(募集定員の75%程度)っていうタイプですね。
学力検査や評定についてはこれ。
学力検査は各教科50点満点、合計250点満点。評定は第3学年のものだけ使用すると思われます。主要5教科、サブ4教科の比率は同じ。
学力検査と評定の比率をまとめると以下のようになります。
学力検査:主要5教科の評定:サブ4教科の評定=250:25:20
教科だけに注目すると以下のようになります。
主要5教科:サブ4教科=275:20
この比率自体は一般的な値ですね。学力検査と評定の合計点で選抜する方式ではないので、あくまでも参考。
次は具体的な選抜方法。
具体的な選抜方法ですが、第1段階で評定の上位から共通枠定員までを対象として、その中で学力検査の上位から共通枠定員の75%を合格にします。
第2段階は第1段階の合格者以外全員が対象。調査書の「学習の記録(要は評定)以外」と「面接」によって共通枠定員の10%を合格にします。
第3段階は第1段階と第2段階の合格者以外全員が対象。調査書、学力検査、面接を総合的に審査して共通枠定員の15%を合格にします。
参考:静岡県の高校入試情報
山梨県の公立高校入試制度
山梨県は前期選抜と後期選抜があります。後期がいわゆる一般選抜なので後期だけ説明します。山梨県も要項(pdf)の情報が薄いので詳しいことはわかりませんでした。
唯一わかったのはこれだけ。
学力検査は各教科100点満点、合計500点満点。「調査書の記録と学力検査の成績を同等に扱う」と書いてあるので、調査書(評定)を500点満点としておきます。面接は行わないようです。何も書いてないのでよくわかりませんが、主要5教科とサブ4教科の比率も同じとしておきます。
この場合の学力検査と評定の比率は以下の通り。
学力検査:主要5教科の評定:サブ4教科の評定=500:278:222
教科だけに注目すると以下のようになります。
主要5教科:サブ4教科=578:222
この比率自体は一般的な値ですね。「学力検査と調査書の総合点で決める」など具体的な選抜方法もわからないのであくまでも参考。
参考(にならない):山梨県の高校入試情報
岐阜県の公立高校入試制度
岐阜県の一般選抜は以下のようになっています。
まず学力検査ですが、各教科100点満点、合計500点満点です。評定は第1学年、第2学年はそのままで第3学年だけ2倍、合計180点満点です。「サブ4教科を2倍」などの調整はないタイプですね。
最終的には各校が学力検査と評定の比率を7:3、6:4、5:5、4:6、3:7のうちから選び換算するようです。
ここまでの内容を学力検査と評定の比率でまとめると以下のようになります(5:5の場合)。
学力検査:主要5教科の評定:サブ4教科の評定=500:278:222
教科だけに注目すると以下のようになります。
主要5教科:サブ4教科=578:222
これだけ見ると山梨県と全く同じですね。具体的な選抜方法がわからないところも同じです。
参考:岐阜県の高校入試情報
福井県の公立高校入試制度
福井県も情報が少ないので具体的な選抜方法がわかりませんが、わかる範囲で説明します。
学力検査は各教科100点、合計500点満点。評定は第3学年のみ使用。「サブ4教科を2倍」などの調整はなし。
福井県は英検取得による加点を明示してますね。他の都道府県では全体ではなく各高校が定めていたり、国際コースみたいなところだけ採用してたりすることが多いです。
具体的な選抜方法、例えば学力検査と調査書の比率などについて何も書かれていないのでこれ以上は不明です。
参考(にならないあまり):福井県の公立高校入試情報
石川県の公立高校入試制度
石川県も福井県と同様に公開資料からは以下のことしかわかりませんでした。
学力検査は各教科100点満点、合計500点満点。評定は3学年分を使用。
学力検査と調査書の比率があるのか、あるならどういう比率なのか、具体的な選抜方法などは一切不明。
何度も書きますがローカル塾の方がわかりやすく情報出してくれてますよ。
参考(にならない):石川県の高校入試情報
富山県の公立高校入試制度
富山県も公開資料はあまり参考になりませんでしたね。一応わかる範囲で説明します。
学力検査は各教科40点満点、合計200点満点。評定は第2学年(45点満点)+第3学年×2(90点満点)+学習の記録以外(15点満点)=150点満点。
わかるのはこのくらいです。「調査書評定点と学力検査の成績を同等に扱う」と書いてありますが、評定を200点満点に換算するなど全く書いてないので詳細は不明。
調査書と学力検査の総合点で順位をつけるのか、それともそれぞれ順位をつけるのかなどの具体的な選抜方法も不明。受験生用のパンフレットを見てもわからず。
参考(にならない):富山県の高校入試情報
新潟県の公立高校入試制度
新潟県は少しマシでした。
学力検査は各教科100点満点、合計500点満点を1000点満点に換算。評定は3学年合計135点満点を1000点満点に換算。学力検査と調査書の比率は7:3、6:4、5:5、4:6、3:7の中から選択する方式。最終的に合計1000点満点で選抜する。
ここまではOKですが、肝心の具体的な選抜方法はやはり書いてありませんでした(例えば、「1000点満点に換算し、第1段階で上位80%を合格とする」みたいな説明)。
新潟県の場合は比率が明示されていたので学力検査と評定の比率を書いておきます(5:5の場合)。
学力検査:主要5教科の評定:サブ4教科の評定=500:278:222
教科だけに注目すると以下のようになります。
主要5教科:サブ4教科=578:222
見落としそうになりましたが、こんなことが書いてありました。
いやいや、それを載せないと意味ないじゃん。どっかの県でも同じような記述があってイラっとしたんですよね。
参考:新潟県の高校入試情報
まとめ
最後に中部地方の一般選抜の学力検査と評定の比率をまとめておきます。
結局、愛知県と静岡県以外はよくわからなかったんですよね。山梨、岐阜、新潟あたりはまだマシですが、福井、石川、富山はドイヒーでした。
今回で一応47都道府県を全て調査し終わったんですが、二度とやりたくないですね。情報が整理されてない、情報が外部サイトにある、そのサイトのUI/UXがヒドい。などなど、ストレスが溜まる作業でした。
後半は慣れてきてだいたいこのへん読めばOKみたいなのがわかってきましたが、同時に何でこの情報ないんだ!というストレスも増えていきましたw
私の調査スキルが足りず、本当はどこかに情報があるんだけど見落としてた、みたいなこともあると思うので、今後追加で加筆・修正するかもしれません。
神奈川県公立高校入試、都立高校入試、大学入試で個別指導18年、オンライン指導8年の私がマンツーマンで丁寧に指導します。
- 対象学年:中学生、高校生、浪人生
- 指導科目(高校):数学、物理、大学受験指導
- 指導科目(中学):数学、理科、高校受験指導
- 指導形態:SkypeまたはZoomによるオンライン指導
- 指導曜日・時間:要相談
- 料金:1時間6,000円(税別)→5,000円(2月3月指導開始の方だけ!)
- 体験指導:60分(ヒアリング含む)
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