6の倍数や8の倍数、9の倍数などは学校の数学でもよく出てきますが7、11、13の倍数判定はあまり扱われません。その理由は、判定方法が複雑だからです。今回はその判定方法を解説します。
7の倍数は少し面倒なので先に11の倍数について解説します。
11の倍数の判定方法
結論から言うと、
「下の位の数字を符号を変えながら全て足して、0か11の倍数になれば元の数は11の倍数」
です。
例えば「145299」は「」なので11の倍数です。試しに11で割ってみてください。
判定方法はこれでわかりましたが、以下でなぜそうなるのかを説明していきます。とりあえず、3桁の数100a+10b+cを考えてみます。
見ての通り、とは11の倍数です。残りのがか11の倍数であれば元の数も11の倍数と言えます。
例えば924はなので11の倍数です。また、363はなのでやはり11の倍数です。
4桁の場合はどうでしょうか。同じように考えてみましょう。
どうでしょうか。カンのいい人は気づくかもしれませんが、3桁の場合と同じ形が出てきました。ただし符号は逆です。3桁のときの式を用いて式変形すると以下のようになります。
先ほどと同様に、この数が11の倍数であるか判定するにはがか11の倍数であればことがわかります。桁数が増えても同じことを繰り返せば良いだけです。
よって11の倍数かどうかを判定するには「下の位の数字を符号を変えて足していき、0か11の倍数になれば元の数も11の倍数」と判断できることがわかりました。
次は7の倍数。
7の倍数の判定方法
7の倍数の場合も同じように考えてみます。7の倍数を作るために、
とやっていきたいところですが、のところが処理しにくいです。そこで、先ほどと同じように11の倍数を作っていくために、11の倍数かつ7の倍数である1001を利用します。
1001であれば1000+1のような形を作れるので便利そうです。この方法は4桁以上じゃないと使えないので、まずは6桁の数で考えてみます。ここで重要なのは、3桁ごとに区切って考えることです。6桁の数字を1~999の2つの数字a、bを用いて1000a+bと表すことにします。cは一桁の数。
これで11の倍数と同じ状況が作れました。このが7の倍数かであれば、元の数も7の倍数となります。
例えば、285782はで7の倍数であることがわかります。
では、7桁の場合はどうなるでしょうか。bを1~999、aとcを一桁の数として考えます。
結局同じですね。「下の位から3桁ごとに区切って、符号を変えながら足した結果が0か7の倍数であれば元の数も7の倍数」であることがわかります。これは何桁であっても同じです。
例えば3234567はなので7の倍数です。
13の倍数の判定方法
実は13の倍数の判定方法については上述の判定方法と同じく1001を使えばOKです。なぜなら1001=7×11×13なので、この数字1つで、7の倍数、11の倍数、13の倍数を判定することが可能です。11の倍数の場合は、最初に紹介した方法の方が簡単かもしれませんが。
倍数の判定方法(まとめ)
最後に、基本の倍数の判定方法も合わせてまとめておきます。
自然数nについて、以下が成り立ちます。
- 一の位が2の倍数なら、nは2の倍数
- 各位の和が3の倍数なら、nは3の倍数
- 下2桁が4の倍数なら、nは4の倍数
- 一の位が5の倍数なら、は5の倍数
- 2の倍数かつ3の倍数なら、nは6の倍数
- 3桁ごとに区切り、下から符号を変えて足し合わせたものが7の倍数なら、nは7の倍数
- 下3桁が8の倍数なら、nは8の倍数
- 各位の和が9の倍数なら、nは9の倍数
- 一の位が0なら、nは10の倍数
- 各位の数を下から符号を変えて足し合わせたものが11の倍数なら、nは11の倍数
- 3の倍数かつ4の倍数なら、nは12の倍数
- 3桁ごとに区切り、下から符号を変えて足し合わせたものが13の倍数なら、nは13の倍数
神奈川県公立高校入試、都立高校入試、大学入試で個別指導18年、オンライン指導8年の私がマンツーマンで丁寧に指導します。
- 対象学年:中学生、高校生、浪人生
- 指導科目(高校):数学、物理、大学受験指導
- 指導科目(中学):数学、理科、高校受験指導
- 指導形態:SkypeまたはZoomによるオンライン指導
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