神奈川県公立高校入試

2019年神奈川県公立高校入試、理科の解説

2019年神奈川県公立高校入試、理科、表紙

2019年の神奈川県公立高校入試、理科はかなり簡単でしたね。知ってるだけで解ける問題が多く解説の必要がなさそうですが、解説するのは問題の解き方だけではありません。勉強するときのポイントの解説も腕の見せ所です。ということで、理科は勉強するときのポイントを中心に解説していきたいと思います。

理科全体の難易度などの感想については以下の記事をご覧ください。

2019年神奈川県公立高校入試、理科、表紙
2019年神奈川県公立高校入試、理科(易化)の感想2019年の神奈川県公立高校入試の理科は易化しましたね。先日は数学の感想と特に難しかった問題の解説をアップしたので、今回は理科の感想を書きたいと思います。かなり簡単だったので100点とった人もそこそこいたのではないかと思います。...

 

それではさっそくですが出題順に解説していきます。

問題と回答は以下のリンク先でどうぞ。

 

第1問(物理小問)のポイント

(ア)は知識問題なので省略。

(イ)は光の屈折に関する基礎知識を問う問題。レンズの形があまり見ないタイプなので混乱する人もいたと思うけど、自分を信じて普通に解けばOK。図が左右反転してる選択肢があるがこれも鏡の反射との混同を狙ったものなので惑わされないように。

こんな感じの基本レベルの問題でも知識を意外と迷うので、日頃から似たような知識を比較しながら覚えるようにしておくと良いですね。自分の中で「これとこれ、よく混同するんだよな。」「間違えやすいぞこれ」という感覚を大切にしましょう。

(ウ)は意外と落とし穴かも。抵抗の直列、並列に関する問題はよく見るけど、電池の直列、並列についてはあまり触れないので。電池を並列にすると何が起きるかというと、電圧は1つのときと同じで、電池の寿命が倍になります。

また、基本知識としてオームの法則V=RIより電流は電圧に比例し抵抗に反比例することもおさえておきましょう。

以下のような電池1つ、抵抗1つの回路を流れる電流を1として考えるとわかりやすいです。

2019年神奈川県公立高校入試、理科問1(ウ)の解説1

まず問題左の回路ですが、電池2個直列、抵抗2個が並列になっているので合成抵抗を考えます。すると電池2個直列、抵抗が1/2の抵抗1個の回路と見なせます(並列抵抗の合成の計算方法は省略します)。

基準の回路と比べると電池が2個直列(電圧×2、つまり電流×2)、抵抗が半分(電流×2)なのでこの回路に流れる電流は1×2×2=4となります。

一方で問題右の回路は電池が2個並列(電圧は1つのときと同じ)、抵抗2個直列(抵抗×2、つまり電流は半分)なので1×1×1/2=1/2となります。

よって、AはBの8倍の電流が流れることがわかります。

 

第2問(化学小問)のポイント

(ア)はただの知識問題ですが、上が空気調節ネジ、下がガス調節ネジです。ガスの元栓に近い方がガス調節ネジですが、こういった2つ合わせて覚える系の知識は自分で適当な語呂合わせを考えて覚えるのが正解。例えば「下が上空」など。ちなみにガス調節ネジをおさえながら空気調節ネジを回す理由は、そうしないと一緒に回ってしまうことがあるからです。

(イ)これもほぼ知識問題。質量保存の法則を理解していれば解けるはずですが、文字式や不等号になったとたんにできなくなる人が増えます。文字だとわかりにくい場合は言葉で書いてみましょう。例えばこんな感じ。

反応前のビーカー全体の質量 + 亜鉛 = 反応後のビーカー全体の質量 + 気体

 

(ウ)で迷うとしたら選択肢3「試験管Bの水溶液では、中和は起こらなかった。」くらいですかね。たまに、水溶液が中性になった瞬間のことを中和だと勘違いしてる人がいますが、水溶液中の水素イオンと水酸化物イオンが結びついて水(H2O)ができることを中和というので、少なくともA、B、Cでは中和はおきています。

 

第3問(生物小問)のポイント

(ア)は知識問題なので省略。

(イ)は頻出パターンの食物連鎖ピラミッドですね。これもほぼ知識問題なので省略。

(ウ)も知識問題ですが、植物の分類と特徴について総合的に覚えておかないと解けない問題なので少し難易度高めです。枝分かれした図を書いて整理するのはみなさんよくやりますが、それぞれの代表的な植物も合わせて覚えておくようにしましょう。

 

第4問(地学小問)のポイント

(ア)と(イ)に関しては特にいうことはないので省略。

(ウ)は地震波の計測結果を見て震源までの距離を求める問題です。よく見る問題ですが、できない人が多いので解説しておきます。下のような図を書くとわかりやすいです。

2019年神奈川県公立高校入試、理科問4(ウ)の解説1

まず最初に、P波とS波の速さの比に注目します。P波が6.0km/s、S波が4.0km/sなので速さの比は3:2です。P波が到達したときのS波は、震源から2/3まで進んだ地点Aにいるはずです。

そして、速さ4.0km/sのS波はこの地点からXまでを15秒で進んだことになるので、この部分の距離は4.0×15=60kmです。図から、震源までの距離はこの3倍ということがわかるので、60×3=180kmとなります。

上の図から震源から地点Xまでにかかった時間を45秒と考えて、4.0×45=180kmと計算してもOK。

地震に関する計算問題はこの問題の他にもグラフを用いたものなど色々なタイプがあるのでしっかり練習しておかないと意外と解けません。

 

第5問(物理大問)のポイント

(ア)は基本知識。水深が深いほど水圧は大きくなるという一般常識さえ知っていれば解けますね。

(イ)は表から判断する問題です。浮力に関する問題ではよく出てくる表なので、ある程度類題演習をしていれば容易に回答できるはず。バネばかりの値が減った分が浮力。

(ウ)は浮力や密度に関する基本知識と、表の読み取り。問題文で「材質が異なる」と書いてある時点で密度が等しいという選択肢1と2は消去できる。

物体Xと物体Yの結果を比較するとaでは物体Xの値の方が大きいことから、質量は物体Xの方が大きいことがわかる。また、aとc(d)を比べると物体Xも物体Yも0.2Nだけバネばかりの値が小さくなっていることから、物体Xと物体Yの浮力は等しい、つまり体積が等しいことがわかる。同じ体積だが、物体Xの方が質量が大きいので、物体Yよりも物体Xの方が密度が大きいと判断できる。

次に物体Xと物体Zを比較すると、表のaから2つは同じ質量だということがわかる。aとc(d)を比べると物体Zの方がバネばかりの値の減り方が少ないので、物体Zの方が浮力が小さい、つまり体積が小さいことがわかる。同じ質量だが、物体Zの方が体積が小さいので、物体Xよりも物体Zの方が密度が大きいと判断できる。

よって密度の大きさの順に並べると「物体Z > 物体X > 物体Y」となる。

 

(エ)の(い)は浮力と力のつり合いの基本を理解していれば解ける。(あ)も記述にしては簡単な方。「船にはたらく重力と浮力が釣り合ってるんでしょ」ということがわかれば書けるはず。次点回答としては「船の質量と浮力が釣り合った」ですかね。意味としてはこれでも合ってますが、釣り合うものとしてはどちらも「力」の方がベターなので、この回答だと不正解になる可能性もあります。

 

第6問(化学大問)のポイント

この問題は「鉄と硫黄の混合物」と「鉄と硫黄の化合物」の違いを問う問題。結構良い問題かも。(ア)(イ)は基礎知識の問題だが、どっちがどっちか混乱した人もいるかもしれない。

(ア)は鉄と硫黄の混合物、要するにただ粉を混ぜただけなので、鉄と硫黄はバラバラに存在している。これに気づけば、塩酸と鉄が反応して水素が発生すると判断できる。

(イ)は(ア)がわかればもう一方の反応だとすぐわかる。鉄と硫黄が化合して硫化鉄ができているが、そこに塩酸を加えると硫化鉄の硫黄と塩酸の水素が反応して硫化水素が発生する。ここまでくれば「硫黄=卵の腐った臭い」と反応できる。ちなみに、硫黄(S)は卵の腐った臭いはしないようです。硫黄自体は無臭の物質。なので温泉地で「硫黄の臭い」と言うのは間違い。まぁ一般的に「硫黄の臭い=硫化水素の臭い」として使ってるのでそう言う意味では間違ってないかもですが、それはそもそも言葉の使い方が間違ってるってことですからね。

(ウ)は硫化鉄がFeSで表されることと価数が化学式内でどう表されるか、モデル図でどう表すかを知っていれば解ける。どれも基本知識。

(エ)の(X)は昨年までの受験生をバカにしてるのかって言うくらい簡単ですね。いつもならこのタイプの計算問題はもっと難しいですからね。(Y)も問題文から鉄と硫黄の化合比が7:4だとわかるので、それよりも鉄が多いものを選べばOK。以下のようにグラフに直線を引いてみると一発でわかります。

2019年神奈川県公立高校入試、理科問6(エ)の解説

 

第7問(生物大問)のポイント

(ア)は意外と正答率低そう。消化酵素や消化、吸収される器官をちゃんと覚えている人は意外と少ないですからね。とは言え覚えてれば解ける問題なので、こう言う問題のために暗記ものはちゃんとやっておかないといけませんね。

(イ)は対照実験に関する知識ですが、少しだけ難しいです。基本レベルの対照実験の問題では、調べたいものだけ条件を変えて他の条件は同じにするのですが、そう考えて安易に選ぶとこの問題は間違えます。

だ液がデンプンを分解しているかどうかを調べたいので、「だ液あり」と「だ液なし」で比較するところ(この時点で3と4は消去できる)まではOK。そのあと、「だ液なし」の場合で期待されるヨウ素液と、ベネジクト液の反応まで考えないとダメ。ヨウ素液はデンプンと反応して青紫色になる。「だ液なし」はデンプンが残ってるはずなのでヨウ素液の反応は青紫色になっているはず。またベネジクト液は糖と反応して赤かっ色になる。「だ液なし」の場合、デンプンは分解されず糖にならないはずなのでベネジクト液は反応なしを選ぶ。

(ウ)は間違えるとしたら2だが、この実験結果の表からわかるのは「6分〜8分の間にデンプンがすべてて分解された」ということだけ。6分間で、ではない。正答は結果を見たまんまのアホみたいな答えですね。

(エ)は混乱した人が多発したと思います。この問題を読んで、例えば「だ液の量が増えれば、デンプンがすべて分解されるまでの時間は短くなるはずなので、仮説②と③は間違い。よって正答は1。」と考えた人はそもそも問題の意味がわかってないです。

この問題で聞かれてるのは「仮説の中身が正しいかどうか」ではなく、「実験によって正しいか間違ってるかを確かめることができる仮説はどれか」です。

問題文は”だ液の量を増やすとどうなるか”という主旨なので、だ液の量によって変化するものの候補を考えるのが正解ルート。それぞれの仮説で変化するものは以下の通り。

  • 仮設①:デンプンが分解されてできる糖の量が増える
  • 仮説②:ヨウ素液の色が変化が見られなくなるまでの時間
  • 仮説③:デンプンがすべて分解されるまでの時間

仮説①ですが、実験1と実験2ではデンプンがすべて糖に変わってますよね。実験3ではだ液の量は2倍にしていますが、デンプンの量は同じです。デンプンの量が変わらないならそれがすべて分解されてできる糖の量も同じなので、仮説①は確かめられません。

例えば実験1と実験2でデンプン100gをすべて分解して糖が50gできたとします。実験3でも同じ量のデンプンで実験したとすると、当然、デンプンはすべて分解されて糖が50gできます。これでは「だ液の量を2倍にしたら、デンプンが分解されてできる糖の量も2倍になる」かどうかはわかりませんよね。

仮説①を確かめるなら、そもそもだ液を入れてもデンプンが残るような条件で実験をしないとダメですね。

仮説②と仮説③は同じことを言ってます。仮説②はつまりはデンプンがすべて分解されるまでの時間ですからね。これがわかれば実質、選択肢1or5の2択です。

 

第8問(地学大問)のポイント

(ア)は知識問題ですが、実験をしたことがないと(あ)は迷うかもしれませんね。

(イ)はkind of 時差の問題ですね。「Xの方が南中時刻がYより遅い」と言っているので、Xの方が日の出も日の入りもYより遅いはずです。逆に言えば「Yの方がどちらも早い」ってことです。こういう言い換えは良く出てくるので、練習してきましょう。

(ウ)は緯度の計算ですが、計算式が掲載されているので代入して計算するだけですね。地図も見ればわかるので、ノー知識でも解けちゃいます。

(エ)は少し難しいですが、天体を勉強するときに例の図を書いていた人は正答率が高かったと思います。以下のような図の使い方を知っていればすぐにわかるはず。

2019年神奈川県公立高校入試、理科問8(エ)の解説1

これは地軸の傾きが23.4°の場合の図。

 

2019年神奈川県公立高校入試、理科問8(エ)の解説2

そしてこれが地軸の傾きを大きくした場合の図。これだけだとわかりにくいので地軸をさらに傾けてみます。

2019年神奈川県公立高校入試、理科問8(エ)の解説3

ここまでくれば南中高度が大きくなっているのがわかると思います。このことから「ある地点での南中高度は、地軸の傾きが大きくなるにつれて大きくなる」ことがわかります。

 

ということで2019年の理科の解説はここまで。2019年の数学の難問の解説記事もあるので興味がある方はどうぞ。

神奈川県公立高校入試-数学-問3(イ)の解説1
2019年神奈川県公立高校入試、数学・問3(イ)解説2019年度の神奈川県公立高校入試の数学は難化しましたね。特に問3の(イ)は解けた人ほとんどいなかったんじゃないでしょうか。今回はこの問3の(イ)の解説をします。解説を見れば「ああ、なるほど」となると思いますので参考にしてみてください。...
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