指導方法

生徒に集中させるための指導方法

個別指導で重要なことの1つが「生徒に集中させること」。同じ指導時間でも集中している場合とそうでない場合では、指導効果に大きな差が生まれます。今回はそのコツを紹介します。

「え、もう終わり!?」

授業終わりに生徒から「え、もう終わり!?」というリアクションが出たら集中できていると判断して良いでしょう。これは指導がうまくいっているかどうかの判断にもなります。

生徒のキャラにもよりますが、はっきりと口に出して言う生徒もいますがそうでない場合は判断が難しいですね。

その場合、私は生徒の表情や言動から精神的な疲労度を自分なりに測るようにしています。

集中できていないサインは授業中にぼーっとしたり、なかなか先に進まなかったり、明らかにストレスを感じている言動があるはずです。

 

生徒が集中できない指導パターン

よくあるのは「軽く解説→『じゃあここ解いて』→生徒が演習→解説」の繰り返しですね。

これでは抑揚がないため身につきにくいです。勉強した内容が身につきやすい状況は、印象に残るかどうかがポイントです。「へー!」とか「なるほど!」とかそういったインパクトが必要になります。

以下では生徒の集中力を高めるための、インパクトのある指導のコツを紹介していきます。

 

生徒の集中力を高める指導方法①(解説)

個別指導では『解説』→『演習』→『演習内容の解説』の流れが基本ですが、まず最初の解説のところが重要です。

最初の解説というのは「初めて習う内容」の解説や「学校で習ったけどわからなかったところ」などの解説です。

私は解説時に以下のことを意識しています(主に理系科目)。

  1. 解いてみせる
  2. 一緒に解く
  3. なんか気になるとこある?
  4. 一人で解かせる
  5. 褒める

 

まず、自分で解いてみせます。実際に手を動かして、途中式なども丁寧に書き、解くためのポイントを協調しながら解説します。学力が低い生徒に指導する場合は、同じパターンの問題を2〜3題解いてみせます。

次に「じゃあもう一個やってみよう」と言って生徒を誘導しつつ一緒に解きます。このとき、私が手を動かして途中式などを書いていきます。「この場合は?」「こうきたら?」のように誘導していきます。①で生徒のレベルに合った解説ができていれば、この段階②もスムーズにいきます。ここも、必要であればさらに1〜2題繰り返します。

②まで終わったら「なんか気になるとこある?」と生徒に尋ねます。わからないところがあっても自発的の質問してこない生徒が多いので、こちらから質問を誘導します。「なんかわからないところある?」はやめましょう。「わからないところ」=「悪」だと刷り込まれている生徒が多いので、この聞き方だと質問しにくくなります。これについて詳しくは以下の記事も合わせてご覧ください。

数学を教えるときのコツ

③で生徒の疑問点をクリアにしたら最後に生徒に解かせます。①〜③がうまくいっていれば必ず自力で解けるはずです。これが生徒の集中力を高めるのにとても効果的です。

  • 解ける→楽しい
  • 解けない→つまらない

と言うのは当たり前の反応なので、なるべくスムーズに解けるように誘導してあげるのが最大のコツです。

生徒が問題を解いていて「わからない。ナニコレ。。。」となっている時間をなるべく少なくするように心がけましょう。

これは解くためにアレコレ考えている、チャレンジしている状態とは全く異なることに注意。その場合はむしろしばらく放置した方がいいですね。考えることこそ勉強で一番大事なことなので。

 

もう一つ重要なのは「褒めること」です。私はよく「良いね!」「素晴らしい!」とか言ってますね。講師は色々知識がある分、もっとああした方がいい、こうした方がいいと余計なマウンティングをしたくなりますが、ちゃんと正答にたどり着いたのならそこでしっかり褒めた方がいいですね。

自分が指導される立場だったら「それじゃダメだな」と言われ続けるより「いいね!どんどん行こう!」と言われた方が気持ちいいですよね。

指導全体のイメージですが「褒め9、ディス1」くらいを意識して指導した方が生徒も楽しく勉強できます。

褒めることの本質は指導のリズムを作ることにあるので、相づちの感覚でどんどん褒めていきましょう。

 

これら①〜⑤の指導方法を私は五十六方式と言っています。山本五十六で検索するとその意味がわかると思います。

 

生徒の集中力を高める指導方法②(演習中)

生徒が演習中(上記④)にも集中力を高めるテクニックがあります。それは「生徒に質問しまくること」です。

上記の①〜③がうまくいっても実際に解かせてみるとなかなかできないものです。生徒も解説してもらってすぐに疑問点が出てくるとは限りません。むしろ問題を解く中で疑問点が出てくることの方が多いでしょう。

私は生徒が演習している様子をよく観察するようにしています。手が止まったり、姿勢が乱れたりした時は生徒が「ナニコレ?」となっている可能性が高いです。そういう時はすかさず質問します。

ここでも、

  • 「なんか問題発生?」
  • 「なんか困ったことが起きた?」
  • 「ヒント欲しい?」

のように生徒が質問しやすいような聞き方をするように心がけています。

 

すでに述べたように、「ナニコレ?」状態が長く続くと集中力が低下していきます。これは誰でも経験したことがあることだと思うので想像しやすいでしょう。

なので、生徒が「ナニコレ?」状態になっているのを察知したら、すぐに質問するようにしましょう。

 

集中させるためのコツ③(解説その2)

問題演習でわからなかったところの解説をするときにもコツががあります。

それは「答えに誘導すること」です。

答えを教える、解き方を教えるのではなく、問題を解くためのステップを生徒自身に踏ませていくことが大切です。

例えば、計算問題の解説をするときに最初から最後まで途中式も書いて、最後の答えまで講師が書いて教えてもあまり効果はありません。

それよりも、途中式の途中で止まり、「この次の式はどうなる?」のように質問したり、数値だけ変えた式を解いて見せるなどヒントを与えて、生徒自身が考えて答えにたどり着けるように導いてあげることで、理解度、満足度は圧倒的に高くなります。

ただ解説を聞いているだけだと「理解した気になるだけ」で、実際に解けるようにはなかなかならないからです。

このときも、必要であれば指導方法①で説明した①〜④を行うとより効果的です。

 

生徒の集中力を高める指導方法④

生徒のスピード感覚に合わせる」というのも効果的です。

上記で紹介して方法は生徒に合わせて強弱をつける必要があります。例えば、学力の高い生徒に指導する場合はダラダラと説明するよりもサラッと解説して解かせた方が良いですし、学力が低い生徒に対しては、上記の指導方法をしっかり行った方が良いです。

生徒によって「心地よい授業スピード」があるので、それをしっかり把握することが重要です。これをハズすと生徒の集中力は一気に低下します。

 

まとめ

最後にまとめておきます。

  1. 生徒が集中するにはインパクトのある授業が必要
  2. 指導の基本は五十六方式
  3. 質問しまくる
  4. 答えに誘導する
  5. 生徒のスピード感に合わせる

結局のところ、集中力が高まる指導というのは楽しいかどうかです。楽しいことであれば時間を忘れてやってしまうのは誰でも経験があるでしょう。

面白いゲームも似たような設計になっていますね。遊んでいるだけでルールや操作方法が身に付く自然なチュートリアルやプレイヤーやキャラの成長を感じさせる育成システム、寄り道要素、などゲームには指導方法のヒントがたくさんあります。

ということで今回はここまで。

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