「大学への数学 微積分/基礎の極意」の難易度や使い方について解説しました。受験生にはオススメしないことや、使いにくいことで有名な2部の使い方などを説明したのでぜひ参考にしてください。
キソゴクは目標偏差値60〜の人向け
「微積分 基礎の極意」、略してキソゴクは目標偏差値60〜の人向けのテキストです。その理由は後述します。
また、このテキストは、基礎知識がある程度身についていないと使いこなせません。例えば、ひと通り数3までの学習を終えた人が使うことをオススメします。
3部構成で92題+α
キソゴクは3部構成で92題あります。
問題数だけ見るとそこまで多くないですが、2部で色々な知識が200パターン用意されているのが最大の特徴です。
1部:計算力のチェック(大問で28題、小問で約100問)
2部:手筋・常識・落とし穴(約200項目、60ページ分)
3部:有名問題・典型問題の解明(64題)
1部は極限、微分、積分の計算の典型問題です。偏差値50くらいの入試だと計算問題だけ出題されることもありますね。
2部は読み物的な感じで、微積に関する知っておくと良い知識が整理されています。中には高校レベルを超えるものもありますが、数学好きにはたまらない内容でしょう。
2部はさらに以下の内容に分かれます。
1. 極限、微分、積分の概念がわかったようでなんだか不安なひとへ
2. 教科書ではあまりふれられてないが、大切な事項を一通りチェックしたいひとへ
3. 見通しよく問題を解くための、やや進んだ手法も身につけたい人のために
4. 少し高級な背景にもふれたい人へ
3部は入試問題の中で有名な問題、よく出題される問題パターンの演習ができるようになっています。難易度は偏差値60前後の入試だと考えてくれればOKです。
3部をやれば入試の微積分の問題の多くは対応できるようになるはずです(このテキストには8割は方針を思いつけるようになると書いてありますが、実際はそこまでカバーできてない気がします)。
2部は例題があると良かったのに
キソゴクの2部はめっちゃ惜しいんですよね。2部に例題がついていれば最高のテキストだと思うんですが、そうすると量がめっちゃ多くなるのでしかたないですね。
例えば以下のようにすればもっと良いテキストになるかもしれないです。
1. 計算
2. 2部の「基本概念」部分だけ+例題
3. 2部の「大切な事項」+例題
4. 3部
5. 2部の「やや進んだ手法」+例題
6. 2部の「少し高級な背景」+例題
量が多いので2冊に分けると良いかも。
第2部の使い方
1部と3部は単純に問題演習なので解けば良いだけなんですが、2部は使い方がわからないという人も多いと思います。ということで2部の使い方を説明します。
ごく簡単なことなんですが、
2部は手を動かしながらやりましょう。
ってことですね。
2部の内容を身につければ微積分のレベルが上がることは間違いないです。身についてない知識があれば、ノートに書いて吸収していきましょう。
数学の知識を身につけるには問題演習が必要なんですが、すでに書いたように2部は知識説明こそあれど、その例題や演習問題がないんですよね。どういう問題で使われるのかを実際に練習してみないと知識は吸収しにくいです。非常におしい構成です。
200項目くらいあるので全ての知識を吸収するのにはそれなりの時間がかかります。受験生が使う場合はペースに気をつけましょう。
2部は「☆☆」がついてる問題は必須、「☆」はなるべくマスターしたい事項、と優先度が分けられているので、まずは「☆☆」をやるなど工夫して使うと良いと思います。
キソゴクの出番はほぼない
私は受験勉強においてキソゴクの出番はないと思います。
目標偏差値が60前後までなら大学への数学シリーズで「1対1対応の演習」の数2と数3(微積分編)の方が実践的な演習ができるので良いです。1対1対応を一通りやればキソゴクの出番はなくなります。
同様に目標偏差値がそれ以上の場合で、微積だけ強化したいなら「解法の探求・微積分」を使うことをオススメします。
ということで、キソゴクは読み物としては良いですが、受験向きの教材ではないです。少なくとも私は受験生にオススメしません。
大学への数学シリーズを比較した記事もあるので興味がある方はどうぞ。
神奈川県公立高校入試、都立高校入試、大学入試で個別指導18年、オンライン指導8年の私がマンツーマンで丁寧に指導します。
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