2024年（令和6年度）神奈川県公立高校入試の学力検査の結果が出たので、昨年までのデータと比較しながら見た感想を、主に数学について、つらつらと書いていきます。受験生の方は参考にしてみてください。
2024年の結果
まずは2024年の結果を見てみましょう。
大方の予想通り、英語と国語はかなり下がっていますね。理科は上昇、数学、数学はやや上昇という結果になりました。
国語の平均点が下がったのは良いですが、英語の平均点が他の科目に比べて低くなりすぎたのが良くないですね。国語と17点も差があるので科目間のバランスが取れていません。数学、理科、社会は平均点だけ見ればちょうどよい難易度だったと言えます。
数学は難問が増えた
数学は私の予想通りで、80点以上の高得点者の数が減り、平均点付近の数が増えました。以下は2024年のデータです。年度によって資料の整理の仕方が異なるので若干比較しづらいかもしれないですがご了承ください。
私の予想については以下の動画をご覧ください。
続いて2023年のデータ。
数学だけで言えば2023年の方が正規分布に近いので、2023年の方が良い試験問題だったと言えそうです。ただ、合否判定をすることを考えると100点はあまり多くない方が良いので、その点では2024年の方が良いかもしれません。
100点が0.3%だと、定員数が約4万人なので、だいたい120人程度です。このほとんどは翠嵐、湘南に集中すると思うのでやや多いかもしれません。数学よりも他の科目の方が高得点者が多いので、総合的にも100点が多いと比較しにくくなります。0.1%だと40人程度なのでそれら2校に集中しても合否を比較するためには問題ないでしょう。
まぁこの点については統計的に考えて合計点が同じ人の数が入学者定員を超えることはまずないので2023年でも2024年でもあまり関係ないと思いますが。
数学の設問毎の正答率
数学の設問毎の正答率を見るとよりわかりやすいです。まずは2024年のデータ。
続いて2023年のデータ。
まず、設問数ですが2023年は25、2024年は25なので設問数の差はありません。また、計算問題は2023年も2024年も7問で難易度もほぼ変わらないので差はありません。
差があるのは正答率が50%未満の難しい問題です。ポイントは3つあります。
1つ目のポイントは正答率1桁台の問題の数です。2024年も2023年も正答率10%未満の問題は3問ですが、2024年は第3問の（ウ）が極端に難しかったため、高得点者が減ったと考えられます。過去には2022年（令和4年）に正答率0.7%という超難問もありましたが（笑）。参考：令和4年、神奈川県公立高校入試、数学の解説
この2024年の第3問の（ウ）は、上記の動画でも解説している通り、解き方を思いつかないとほぼ解けないようになっている（解き方が限られている）のでかなり難しかったです。
2つ目のポイントは、第3問（ア）の証明の後の角度を求める問題です。前者の角度を求める問題は昨年も出題されている（例年出題されている）問題ですが、2024年は難易度が高かったです。この1問、及び第3問の（ウ）が、高得点者数が減った主な原因と考えられます。
第3問の（エ）も難易度が高かったですが、そのかわりに2023年の同等の正答率の第6問（イ）がなくなっているのでここは相殺。また、確率の正答率が上がっていますが、データの分析の正答率が同程度下がっているのでここも相殺。
平均点以下の割合も若干減っていますが、その要因は以下のものが考えられます。
まずは第2問の設問数が1つ増え、その問題（球の体積に関する問題）が比較的簡単であったことが要因の1つでしょう。また、ここ数年、正答率が高めだった平面図形の最初の2問の正答率がさらに上がったため、例年であれば平均点以下だった層の得点を押し上げていると考えられます。
以上の理由から、平均点以下の人、高得点者が減り平均点付近の数が増えたと考えられます。
神奈川県公立高校入試、都立高校入試、大学入試で個別指導18年、オンライン指導8年の私がマンツーマンで丁寧に指導します。
- 対象学年：中学生、高校生、浪人生
- 指導科目（高校）：数学、物理、大学受験指導
- 指導科目（中学）：数学、理科、高校受験指導
- 指導形態：SkypeまたはZoomによるオンライン指導
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