2016年度版スタンダード数学演習12AB、問題番号243の解説記事です。考えるときのポイント、式変形などを詳しく解説してあります。テキストの解説だけではわかりにくい部分を数学が苦手な人にもわかるように平易な説明をしてあるので参考にしてみてください。
この問題は(2)の式変形が最大の難関です。三角関数の式変形が苦手な人も多いと思います。主に何に気をつけて式変形していけばいいのかを解説します。
(1)の解説
回答例
(1)
(1)のポイント
ポイントは2つです。
- 誘導に従うこと
- sinかcosのどちらか一方で表す
「とおくとき」という誘導があるのでそれに従えばOK。tの範囲を聞かれているが、という方程式の意味を考えると、「tの範囲」=「」の範囲ということに気付けるかどうか。
三角関数ではsinとcosが混ざっているとθの範囲を求めにくくなるなど、解けないことが多いので、sinかcosのどちらか一方だけで表すのが基本ですね。
(2)の解説
回答例
(2)
(3)
よって、
(2)のポイント
ポイントはとにかく色々試すことです。
この問題のポイントというより普段から色々試すようにすると良いって感じですね。色々試しておいて、式変形でよく出現する形を体に染み込ませると、どういう式変形をすれば良いのかを判断するのが速く、正確になります。
式変形してtで表すのはわかりますが、どう式変形するかが問題です。こういう場合、大きく分けて2通りの式変形があります。
1:を変形していく
2:を式変形していく
今の場合は2が良さそうです。なぜかというと、(1)が誘導になっていることが多いからです。
こういう場合はの各項(今の場合は と と )を から作れないかを試すところが解法ルートの入り口です。
「tの式」
「tの式」
「tの式」
これらを作っていくイメージを持ちましょう。
2倍角の公式より であることに気づけば比較的スムーズに解き進めることができます。ただし、余計な項が出てくるのでその部分に惑わされないような粘り強さと冷静さが必要です。
ということで、 の項を作れないか試してみましょう。
(4)
さて、が邪魔ですね。ここは、一旦保留して、他の項を作ることを考えましょう。この点については経験値でしか補えないので、こういう式変形もあるんだということを覚えておきましょう。
次は、 を作ることを考えます。少しズルい考え方ですが、こういう場合はだいたい2乗するとうまくいきます。これも経験値でしか補えない部分ですね。
(5)
ここでも という邪魔な項がでてきますが、さきほどの式(2)と合わせるとうまくいきそうですね。
式(2)、(3)より、
ポイントは途中で相殺される項が出てくる場合があるということですね。これを頭に入れておけば、冷静に式変形することができるようになります。
(3)の解説
回答例
(6)
よって、 は で最大値 。
(3)のポイント
(3)のポイント以下の2点。
- (2)からの流れに乗ること
- 最大値を求める問題の基本に従うこと
(1)、(2)と明らかに流れがあるし、(3)の問題も(2)の問題と関係ありそうなことに気づけるかがポイント。普段から「流れ」を意識して勉強するようにすると良いと思います。
最大値を求める問題は頻出なので呼吸をするレベルでできるようにしておきたいところです。
アドバイス
こういった経験値が必要な問題では、解説を読んで満足してしまわないように注意しましょう。式変形はひらめきだからと練習しないでいると本番では解けません。しかも、こういう問題ほど固執して解こうとしてしまいます。そこで時間を浪費してしまいがちです。
経験値が必要な部分はトレーニングを積み重ねるしかありませんが、ここで書いたような考え方をベースに持っていれば経験値が早く貯まります。特に、それぞれの項を作れないか試してみるというのは有効なことが多いです。
2乗することで の形が出てくる場合はとりあえず2乗してみるというのも有効なことが多いですね。
神奈川県公立高校入試、都立高校入試、大学入試で個別指導20年、オンライン指導9年の私がマンツーマンで丁寧に指導します。
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