44ベクトルと空間図形 358:解説 スタンダード数学演習Ⅰ・Ⅱ・A・B(2016)

空間図形の問題の場合はそれぞれの面を取り出した図を先に描くと空間図形のイメージがしやすくなります。空間図形は作図をどう書くかによって解きやすさが決まるので最初の作図が肝心です。

まずは各面を書き出しましょう。

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面ABCについては図を書きませんでしたが、AC=BCの二等辺三角形ということに気づいたでしょうか。これらの各面の情報は空間図形を作図するときに重要なヒントになります。

問題文をざっと眺めると最終的に(3)で体積を求めさせようとしています。さらに、点Cから面OABに垂線を引いていますね。これらの情報から面OABを底面、CHを高さとする三角錐を書けばいいのではないかと推測することができます。

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直線OHとABの交点をIとしました。これで問題を解く準備ができました。実際に解くときは最初から解きやすい図形を描けないと思いますが、そういうときは順次描き直しながら解き進めましょう。

 

(1)の解説

\vec{OH}\vec{a}\vec{b}で表すためにどうすればいいか考えるわけですが、CH\perpOHであることに注目して解き進めます。

ベクトルの問題で垂直ときたら内積=0を利用するところまではみなさん思いつくと思います。空間図形の場合、”あるベクトルと垂直な面に含まれるベクトル”も、あるベクトルと垂直になるということを利用することが多いです。

いまの場合はCHと面OABが垂直なので、面OABに含まれるベクトルを利用します。こういう場合は既知のベクトルを採用することで計算がスムーズにいきます。今回は\vec{a}を使うことにします。

(CHが面OABと垂直であるということは\vec{CH}\perp\vec{OA}ということも言えます。)

聞かれているのは\vec{OH}なので\vec{CH}\vec{OH}を使って表すことを考えます。

(1)   \begin{eqnarray*} \vec{CH} &=& \vec{OH} - \vec{OC} \\ &=& \vec{OH} - \vec{c} \end{eqnarray*}

このように、求めたいベクトルを既知のベクトルで表すというテクニックはよく使うので覚えておきましょう。

さらに、\vec{OH}=k\vec{OI}と表すことができます。また、点Iは線分ABの中点なので、\vec{OI} = \frac{1}{2}(\vec{a}+\vec{b})と表すことができます。これらを使って、

(2)   \begin{eqnarray*} \vec{OH} &=& k(\frac{1}{2}(\vec{a}+\vec{b})) \\ &=& \frac{1}{2} k (\vec{a} + \vec{b}) \end{eqnarray*}

\vec{CH}\perp\vec{a}より、

(3)   \begin{eqnarray*} \vec{CH} \cdot \vec{OA} &=& 0 \\ (\vec{OH} - \vec{c}) \cdot \vec{a} &=& 0 \\ \vec{OH} \cdot \vec{a} - \vec{c} \cdot \vec{a} &=& 0 \\ \frac{1}{2} k (\vec{a} + \vec{b}) \cdot \vec{a} - \vec{c} \cdot \vec{a} &=& 0 \\ \frac{1}{2} k (|\vec{a}|^{2} + \vec{b} \cdot \vec{a}) - \vec{c} \cdot \vec{a} &=& 0 \end{eqnarray*}

ここで\vec{b} \cdot \vec{a}\vec{c} \cdot \vec{a}の値が必要になるので計算します。

(4)   \begin{eqnarray*} \vec{b} \cdot \vec{a} &=& 1\cdot1\cdot\frac{1}{2} \\ &=& \frac{1}{2} \\ \vec{c} \cdot \vec{a} &=& 1\cdot1\cdot\frac{1}{\sqrt{2}} \\ &=& \frac{1}{\sqrt{2}} \end{eqnarray*}

(3)と(4)より,

(5)   \begin{eqnarray*} \frac{1}{2} k (|\vec{a}|^{2} + \vec{b} \cdot \vec{a}) - \vec{c} \cdot \vec{a} \\ = \frac{1}{2} k ( 1 + \frac{1}{2} ) - \frac{1}{\sqrt{2}} \\ = \frac{3}{4} k - \frac{\sqrt{2}}{2} \\ \raisebox{.2ex}{.}\raisebox{1.2ex}{.}\raisebox{.2ex}{.} \hspace{3mm} k = \frac{2\sqrt{2}}{3} \end{eqnarray*}

これと(2)より、

(6)   \begin{eqnarray*} \vec{OH} &=& \frac{1}{2}\cdot\frac{2\sqrt{2}}{3}(\vec{a}+\vec{b}) \\ &=& \frac{\sqrt{2}}{3}(\vec{a}+\vec{b}) \end{eqnarray*}

 

(2)の解説

ここでのポイントは以下の2点。

CHの長さは|\vec{CH}|で表すことができる。
すでに\vec{CH}=\vec{OH}-\vec{c}を知っている。

つまり,|\vec{CH}| = |\vec{OH}-\vec{c}|を利用すればうまくいきそうだと予想できます。この形をみたら両辺を2乗したくなるはずです(ならない人は演習不足!)。さっそく計算していきましょう。

(7)   \begin{eqnarray*} |\vec{CH}| &=& |\vec{OH}-\vec{c}| \\ |\vec{CH}|^{2} &=& |\vec{OH}-\vec{c}|^{2} \\ &=& |\vec{OH}|^{2} -2\vec{OH}\cdot\vec{c} + |\vec{c}|^{2} \\ \end{eqnarray*}

ここで、\vec{OH}|^{2}\vec{OH}\cdot\vec{c}の値が必要なので計算しましょう。

(8)   \begin{eqnarray*} |\vec{OH}|^{2} &=& |\frac{\sqrt{2}}{3}(\vec{a}+\vec{b})|^{2} \\ &=& \frac{2}{9}(|\vec{a}|^{2} + 2\vec{a}\cdot\vec{b} + |\vec{b}|^{2}) \\ &=& \frac{2}{9}(1 + 1 + 1) \\ &=& \frac{2}{3} \end{eqnarray*}

(9)   \begin{eqnarray*} \vec{OH}\cdot\vec{c} &=& \frac{\sqrt{2}}{3}(\vec{a}+\vec{b})\vec{c} \\ &=& \frac{\sqrt{2}}{3}(\vec{a}\cdot\vec{c}+\vec{b}\cdot\vec{c}) \\ &=& \frac{\sqrt{2}}{3}(\frac{1}{\sqrt{2} + \sqrt{2}}) \\ &=& \frac{\sqrt{2}}{3}\cdot\frac{2}{\sqrt{2}} \\ &=& \frac{2}{3} \end{eqnarray*}

(7)、(8)、(9)より、

(10)   \begin{eqnarray*} |\vec{CH}|^{2} &=& \frac{2}{3} - 2\cdot\frac{2}{3}+1 \\ &=& \frac{1}{3} \\ \raisebox{.2ex}{.}\raisebox{1.2ex}{.}\raisebox{.2ex}{.} \hspace{3mm} |\vec{CH}| &=& \frac{\sqrt{3}}{3} \end{eqnarray*}


(3)の解説

すでに面OABを底面、CHを高さとして考えているので体積を求めるのは簡単ですね。

(11)   \begin{eqnarray*} S_{OAB} &=& \frac{1}{2} |OA| |OB| sin \angle OAB \\ &=& \frac{1}{2} \cdot 1 \cdot 1 \cdot \frac{\sqrt{3}}{2} \\ &=& \frac{\sqrt{3}}{4} \\ \vspace{5mm} \\ V_{OABC} &=& \frac{1}{3} S_{OAB} \cdot |CH| \\ &=& \frac{1}{3} \cdot \frac{\sqrt{3}}{4} \cdot \frac{\sqrt{3}}{3} \\ &=& \frac{1}{12} \end{eqnarray*}

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