43ベクトルと平面図形(2) 353:解説 スタンダード数学演習Ⅰ・Ⅱ・A・B(2016)

(1)の解説

軌跡を聞かれてるので点Pを(X,Y)とおきます。そしてXとYに関する式を2セット作ることを思いつけるかどうかがポイントです。

まず、\vec{OP}=\vec{p}\vec{OA}=\vec{a}=(2,1)\vec{OB}=\vec{b}=(1,-2)とします。

    \begin{eqnarray*} \vec{p}&=&(cos\theta)\vec{a}+(1-sin\theta)\vec{b} \\ (X,Y)&=&(2cos\theta, cos\theta)+(1-sin\theta, -2+2sin\theta) \\ &=&(2cos\theta-sin\theta+1, cos\theta+2sin\theta-2) \end{eqnarray*}

    $$ \left\{ \begin{array}{lll} X=2cos\theta-sin\theta+1 \\ Y=cos\theta+2sin\theta-2 \end{array} $$

これでXとYに関する式が1セットできました。あともう1セット作り、それらを連立して\thetaを消去する(XとYだけの式にする)ことを考えればOKです。

ところが、この先が思いつかないことがよくあります。その場合は試行錯誤するしかないです。色々試しながらこういうときはこうするとうまくいくというお決まりパターンを身につけていきましょう。一つに絞れればベストですが実際はそう簡単にはいかないので思いついたものを順に試すのがいいと思います。問題を読んで解法を2~3個まで絞れるような状態を目指しましょう。

今の場合は\vec{p}&=&(cos\theta)\vec{a}+(1-sin\theta)\vec{b}両辺の絶対値をとり2乗するとうまくいきそうです。

(1)   \begin{eqnarray*} |\vec{p}|^{2}&=&|(cos\theta)\vec{a}+(1-sin\theta)\vec{b}|^{2} \\ X^{2}+Y^{2}&=&cos^{2}\theta\cdot|\vec{a}|^{2}+(1-sin\theta)^{2}\cdot|\vec{b}|^{2} \\ &=&cos^{2}\theta\cdot5+(1-sin\theta)^{2}\cdot5 \\ &=&5cos^{2}\theta+5-10sin\theta+5sin^{2}\theta \\ &=&10-10sin\theta \end{eqnarray*}

これでXとYに関する式が2セットできました。ここで気をつけなければならないのはどのように連立するかです。求めたいのは点P(X,Y)の軌跡なのでXとYは残しておかなければなりません。間違えて最初の式のX、Yを今作った式に代入しないようにしましょう。

X^{2}+Y^{2}=10-10sin\thetaを見るとこの等式にはsin\thetaだけしかないのでこのsin\thetaをX,Yで置き換えれることができればX、Yだけの等式が作れそうです。ということで最初に作った式のセットを連立してsin\thetaだけの式にしましょう。

    \begin{eqnarray*} X &=& 2cos\theta - sin\theta + 1 \\ 2Y &=& 2cos\theta + 4sin\theta - 4 \\ X-2Y &=& -5sin\theta+5 \\ 2X-4Y &=& 10-10sin\theta \end{eqnarray*}

これと(1)より、

    \begin{eqnarray*} X^{2}+Y^{2} &=& 2X-4Y \\ X^{2}-2X+Y^{2}+4Y &=& 0 \\ (X-1)^{2}+(Y+2)^{2} &=& 5 \\ \end{eqnarray*}

したがって、求める点Pの軌跡は中心(1,-2)、半径\sqrt{5}の円となる。

 

(2)の解説

内積\vec{PA}\cdot\vec{PB}の計算ですが、\vec{PA}\vec{PB}も情報がない(ように見える)のでこのままだと計算できません。ですので、こういうときはそれぞれのベクトルを既知のベクトルで表せないかを考えしょう。

また、最大値とそのときの\thetaの値を求めろと言われていることもヒントになります。つまり内積\vec{PA}\cdot\vec{PB}を計算した結果は一定の値ではなく、\thetaの関数になっているということです。

それぞれの点の位置関係がイメージしにくい場合は、適当でいいので図を書いて考えてみましょう。

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よって、

    \begin{eqnarray*} \vec{PA} = \vec{OA} - \vec{OP} \\ \vec{PB} = \vec{OB} - \vec{OP} \\ \vspace{5mm} \\ \vec{PA}\cdot\vec{PB} &=& (\vec{OA}-\vec{OP})(\vec{OB}-\vec{OP}) \\ &=& \vec{OA}\cdot\vec{OB}-\vec{OA}\cdot\vec{OP}-\vec{OB}\cdot\vec{OP}+|\vec{OP}|^{2} \end{eqnarray*}

\vec{OA}\cdot\vec{OB}などはまだ計算してないので、ここで計算してあげましょう。|\vec{OP}|^{2}は(1)で求めた値を使います。

    \begin{eqnarray*} \vec{OA}\cdot\vec{OB} &=& 2\cdot1+1\cdot(-2)=0 \\ \vec{OA}\cdot\vec{OP} &=& (cos\theta)|\vec{OA}|^{2} + (1-sin\theta)|cos\theta|^{2} \end{eqnarray*}

これらを代入して、

    \begin{eqnarray*} \vec{PA}\cdot\vec{PB} &=& \vec{OA}\cdot\vec{OB}-\vec{OA}\cdot\vec{OP}-\vec{OB}\cdot\vec{OP}+|\vec{OP}|^{2} \\ &=& -(cos\theta)|\vec{OA}|^{2} - (1-sin\theta)|cos\theta|^{2} + 10 - sin\theta \\ &=& -5cos\theta-5+5sin\theta+10-10sin\theta \\ &=& -5(sin\theta+cos\theta) + 5 \\ &=& -5\sqrt{2} sin \left (\theta+\frac{\pi}{4}\right)+5 \end{eqnarray*}

0\leqq\theta<2\piより、

    \begin{eqnarray*} &&\frac{\pi}{4}\leqq \theta+\frac{\pi}{4} <\frac{5\pi}{4} \\ &&-1 \leqq sin \left(\theta+\frac{\pi}{4}\right) < 1 \\ &&-5 \sqrt{2} \leqq -5 \sqrt{2} sin \left(\theta+\frac{\pi}{4}\right) < 5 \sqrt{2} \\ &&5-5 \sqrt{2} \leqq 5-5 \sqrt{2} sin \left(\theta+\frac{\pi}{4}\right) < 5 + 5 \sqrt{2} \end{eqnarray*}

よって、\theta+\frac{\pi}{4}=\frac{3\pi}{2} 、つまり \left \theta=\frac{5\pi}{4} \right のとき、
最大値 5+5\sqrt{2} となる。

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