40ベクトルの基本 334:解説 スタンダード数学演習Ⅰ・Ⅱ・A・B(2016)

(1)の解説

まず4\vec{PA}+5\vec{PB}+6\vec{PC}=\vec{0}(①とする)を見た瞬間にこれを式変形すればいいんだなと反応できるかどうかがポイントです。この解法はよく使うので覚えておきましょう。

式変形する前に反応できるようにしておくと良いポイントがもう一つあります。それは①の形から点Pは三角形ABCの内部にあるということです。なぜそう言えるのかは自分で考えてみましょう(教科書や参考書を調べればすぐわかるはずです)。

式変形するときのポイントは、最終的には\vec{AP}\vec{AB}\vec{AC}の3つのベクトルだけで表したいということです。こういうときは仮でいいので図を書いて考えましょう。

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この時点では点Pの位置は三角形ABCの内部になくても問題ありません。この図から\vec{PB}=\vec{AB}-\vec{AP}\vec{PC}=\vec{AC}-\vec{AP}ということがわかるので、

    \begin{eqnarray*} 4\vec{PA}+5\vec{PB}+6\vec{PC}&=&\vec{0} \\ -4\vec{AP}+5(\vec{AB}-\vec{AP})+6(\vec{AC}-\vec{AP})&=&\vec{0} \\ &\vdots& \\ \vec{AP} &=& \frac{1}{3}\vec{AB}+\frac{2}{5}\vec{AC} \end{eqnarray*}

計算結果からも点Pは三角形ABCの内部にあることがわかりましたね。

(2)の解説

(1)の結果から点Pが三角形ABCの内部にあることがわかりました。今度は仮の図ではなく、(1)の結果を反映した図を書いてみましょう。

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こんな感じで新たに得た情報を反映させるとひらめきやすくなります。

ここで、直線APと直線BCの交点をEとおきます。このとき\vec{AP}\vec{AE}を用いて\vec{AE}=k\vec{AP}と表せます。また、\vec{AE}\vec{AB}\vec{AC}を用いて表せることに気づきます。このことから以下のような式変形を思いつけるかどうかがポイントです。

    \begin{eqnarray*} \vec{AP} &=& \frac{1}{3}\vec{AB}+\frac{2}{5}\vec{AC} \\ &=& \frac{5\vec{AB}+6\vec{AC}}{15} \\ &=& \frac{11}{15}\cdot\frac{5\vec{AB}+6\vec{AC}}{11} \end{eqnarray*}

この式から、「BCを6:5に内分する点をEとするとき、点Pは線分AEを11:4に内分する点」ということがわかります。このような式変形はよく使うので覚えておきましょう。

ここのパートは「BE:EC=t:1-t」のようにおいて\vec{AE}について2つ式を作り係数比較して解く方法もありますが、少々めんどくさいです。興味がある人はやってみてください。)

 

これでようやく三角形PABと三角形PBCの面積の比を求める準備ができました。三角形ABCの面積を基準とすると、

    \begin{eqnarray*} S_{PAB} &=& \frac{11}{15} S_{ABE} \\ &=& \frac{11}{15}\cdot\frac{6}{11} S_{ABC} \\ &=& \frac{2}{5}S_{ABC} \\ \vspace{5mm} \\ S_{PBC} &=& \frac{4}{15} S_{ABC} \\ \vspace{5mm} \\ \raisebox{.2ex}{.}\raisebox{1.2ex}{.}\raisebox{.2ex}{.} \hspace{3mm} S_{PAB}:S_{PBC}&=&\frac{2}{5}S_{ABC}:\frac{4}{15}S_{ABC} \\ \vspace{3mm} \\ &=&3:2 \\ \end{eqnarray*}

 

(3)の解説

まずは(1)と同じように考えましょう。

4\vec{QA}+5\vec{QB}+6\vec{QC}+7\vec{QD}=\vec{0}(②とします。)という条件式から点Qは三角錐ABCDの内部にあることがわかります。これも、なぜそう言えるのかは自分で考えてみましょう。

このことと問われていることにどんな関係があるかを考えないと先へ進めません。そこで、(2)で新たに得た情報をもとにしてここまでにわかっていることを整理してみましょう。すると図はこんな感じになるはずです。

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ここまでくると点Qの位置がなんとなくわかるかもしれません。点Qが線分PD上にありそうだと思った人は勘が良いですね。このイメージがあればさきほどの式②をどう式変形していけばいいかなんとなく予想できます。

もし点QがPD上にあるなら、②を\vec{AQ}=\cdotsのように式変形すれば、その先もスムーズに進めそうです。(1)のときと同様に、\vec{QB}=\vec{AB}-\vec{AQ}などを利用して式変形していきましょう。

    \begin{eqnarray*} 4\vec{QA}+5\vec{QB}+6\vec{QC}+7\vec{QD}&=&\vec{0} \\ -4\vec{AQ}+5(\vec{AB}-\vec{AQ})+6(\vec{AC}-\vec{AQ})+7(\vec{AD}-\vec{AQ})&=&\vec{0} \\ \vec{AQ}=\frac{1}{22}(5\vec{AB}+6\vec{AC}+7\vec{AD}) \end{eqnarray*}

ここで再びさきほどの解法を利用します(これが思いつくかどうかが素早くとけるかどうかの別れ道です。)。(1)より、

    \begin{eqnarray*} \vec{AP}&=&\frac{11}{15}\cdot\frac{5\vec{AB}+6\vec{AC}}{11} \\ &=&\frac{11}{15}\vec{AE} \\ \vspace{5mm} \\ \raisebox{.2ex}{.}\raisebox{1.2ex}{.}\raisebox{.2ex}{.} \hspace{3mm} 5\vec{AB}+6\vec{AC} &=& 11\vec{AE} \end{eqnarray*}

よって、

    \begin{eqnarray*} \vec{AQ}&=&\frac{1}{22}(11\vec{AE}+7\vec{AD}) \\ &=& \frac{18}{22}\cdot\frac{11\vec{AE}+7\vec{AD}}{18} \\ &=& \frac{9}{11}\cdot\frac{11\vec{AE}+7\vec{AD}}{18} \end{eqnarray*}

この式を読み解くと、「EDを7:11に内分する点をFとするとき、点QはAFを9:2に内分する点である」ということがわかります。ここまでの情報を図に反映させるとこんな感じになります。

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これで三角錐QABCと三角錐QBCDの体積を比較する準備が整いました。それぞれ三角形ABCと三角形BCDを底面と見て、三角錐ABCDの体積を基準にすると、

    \begin{eqnarray*} V_{QABC} = \frac{7}{22}V_{ABCD} \\ \vspace{3mm} \\ V_{QBCD} = \frac{2}{11}V_{ABCD} \\ \vspace{5mm} \\ \raisebox{.2ex}{.}\raisebox{1.2ex}{.}\raisebox{.2ex}{.} \hspace{3mm} V_{QABC}:V_{QBCD}&=&\frac{7}{22}V_{ABCD}:\frac{2}{11}V_{ABCD} \\ \vspace{3mm} \\ &=& 7:4 \end{eqnarray*}

検討

この問題のポイントは4\vec{PA}+5\vec{PB}+6\vec{PC}=\vec{0}のような条件式を見たときに何をすればいいのか反応できるようにしておくことです。また、図形的にどんな意味を持つのかを押さえておくことも重要です。

\vec{AP}などはベクトル方程式を解いてもいいですが、それだと時間がかかります。ここで解説した解法は特別なものではないですが、実際の試験になると忘れがちなのでしっかり整理しておきましょう。

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