2016年度 大学受験生へのヒアリング書き起こし 理想と現実のギャップと戦った二人

先日、2016年度の大学受験生二人に受験生活に関してのヒアリングをしました。今回はその内容をまとめました。

世間では受験に関するキラキラエピソードが隆盛を極めていますが、そういう話はお腹いっぱいという人はこの記事を読むといいかもしれません。中高生の中には、「キラキラエピソードに出てくる登場人物のようになりたい!」と思いながらも「実際にはできない」というギャップで引き裂かれそうになっている人も少なくないと思います。

ここに登場するのはどこにでもいる大学受験生2人の話ですが、多くの受験生にとってはこの2人の話の方が参考になるのではないかと思います。今回話を聞いた2人はどちらも浪人生です。彼らも理想と現実のギャップと静かに戦いながら受験勉強を最後までやり切りました。

はじめに

日時:3.31.2017
インタビュアー:@hirotutor
参加者:Oさん、Nさん

OさんもNさんも私(@hirotutor)が週1回指導に行っている個別指導塾に通っていました。全ての科目をhiroが指導していたわけではありません。

Oさんのプロフィール
高校は私立で偏差値45くらいのコース
偏差値40未満の大学に内部進学した後、仮面浪人(1浪)
第1志望は偏差値50程度の大学・情報系
指導開始は2016年6月
英語、数学は中1〜2レベルからスタート
最終的には偏差値50弱の私立大学(情報系)に合格・入学
受験科目は英語、数学1A2B、現代文
@hirotutorは数学の一部を担当

Nさんのプロフィール
高校は公立で偏差値60程度
2浪目
現役と1浪目は某有名予備校に在籍
第1志望は関東の獣医学部(数校しかない)
指導開始は2016年4月
指導開始時点での学力目安は駿台ベネッセのセンタープレで偏差値50弱(3科目)
最終的には偏差値60弱の私立大学(薬学)に合格・入学
麻布大学獣医学部は補欠合格だったが惜しくも本合格ならず
受験科目は英語、数学1A2B、化学
@hirotutorは数学の一部を担当

ヒアリング内容の書き起こし

以下、ヒアリング内容の書き起こしです。文面だけだと発言の意図がわかりにくいところは説明を入れてあります。

受験勉強を通して何を学んだ?
Oさん:努力ができるようになった。サッカーとかやってたんだけど、サッカーと勉強の努力は感覚が似てて、その感覚を取り戻せた。
Nさん:一般的に受験て重いイメージを持ってるけど、もっと軽く考えた方が良い。その方がどんどん前へ進めるしそれが重要。考えすぎるよりもさっさと行動した方がいいということを学んだ。

受験勉強への意識の段階が変化したのはどのタイミング?
Oさん:大学で適当にやった課題の成績が一番になったときに「ここじゃないと」思った(2016年6月)。
Nさん:高3の夏から。

本気でやってたつもりだけど「それでもまだ足りない」と思ったのはいつ?
Nさん:高3の8月河合模試で。
Oさん:センタープレ後。

その(前項)前後で意識的に勉強方法を変えたことはある?
Oさん:数学。わからなくても最後まで考えて解くようにした。これをやるようになって、以前より理解が深まるようになったと思う。
Nさん:志望校の偏差値を調べて、その偏差値になるにはどのくらいのレベルになればいいか調べた。サイトを調べたら赤本を見ろって書いてあって傾向を考えて勉強するようにした。時間もなかったので。(*これは文脈的に現役時代の話でした。)

プレッシャーに負けてあきらめる(勉強しなくなる)人も多いけど、それに勝って勉強を続けられたのはなぜ?
Oさん:宿題があったのは助かった。やらなきゃいけないことがあるという状態があったから勉強を続けられた。
Nさん:塾通ってなかったら習慣的に勉強をすることはなかった。

受験勉強スタートする前は勉強してた?
Oさん:まったく興味なかった。
Nさん:部活しかしてない。

受験勉強スタートした後で、やる気をなくしたときある?
Nさん:現役のとき12月くらいに模試結果見て、浪人すると決めて過去問じゃなく基礎を勉強し直しはじめた(この点はよかった)。最後までやりきらず、追い込まなかったのはよくなかった。(*今年度、やる気をなくしたことはほぼなかったそうです。)
Oさん:0からのスタートだったので、道のりが長すぎた。勉強し始めて初めて少したってからようやくその大変さに気づいて、目標がかなり先にあるとわかり凹んだ。やる気が出る本とか読みまくってなんとか持ち直した(*8月か9月くらい)。

やる気ないときどうしてた?
Oさん:音楽聴いたり、自己啓発本を読んだ。
Nさん:計算やるのだるいときとか長文読むのだるいときはガッツリ系の勉強はやらずに、単語帳ペラペラ眺めたり、青チャ眺めたりしてた。何もやらないと罪悪感があるので。

勉強計画についてはどうかな?
Oさん:計画立てられない。計画通りにやるのは辛い。それで計画作りとかやらされてたら、たぶんやる気をなくしてた。
ーhiro:好きな科目だけやってるとバランス崩れるけど?
ーOさん:それこそ宿題がうまく機能してた。宿題はちゃんとやってたので。
Nさん:綿密に計画を立ててた、付箋でToDoListを作ってできなかったやつは次の日に持ち越していった。もともと手帳とかに予定を立てて。

勉強方法についてはどうか?
Oさん:質問ないとき申し訳ない気持ちになってた(これは”毎回質問する箇所を整理してくるように”という私の指導に関連した回答。)。英単語は覚えるのにホワイトボートに書いたり、PCに打ち込んだりしてた。ずっと同じ勉強方法だと飽きるので、そういうときにやってた。あとは青ペン使って覚えてた。
Nさん:(*宿題出さなかった件について)ぶっちゃけそのやり方でしっくりこなかったら講師(*私のことです。)を変えようと思ってた。カレンダーに夏に350時間とか勉強時間を決めて勉強してた。そう設定すれば、そのぶんはちゃんとやろうとするから。勉強に飽きないようにするために。(*私は基本的に”テキストの何ページから何ページをやれ”というような一般的に宿題と言われるものは出しません。アドバイスはしますが。)

逆に、有効じゃなかった勉強方法は?例えば一般的に言われてる勉強方法について。
Oさん:「一つのテキストをやり込め」ってよく言うけど、一つの単語帳をやってて、その単語帳ではわかるのに、模試とか本番になるとわからなくなる。だから単語帳は複数使ってた。
ーhiro:その単語だけでなく他の情報、例えば例文や前後の単語など、から推測する癖がついてるとそうなる。人間誰でもその癖はあるのでそこを意識して直すようにしないといけないね。(*これはよく私が指導していることです。もちろんOさんにも指導してましたが、この癖を完全に直すのは難しいですね。)
Nさん:特にないです。

受験勉強を終えて、もっとこうしてればみたいなのってある?
Oさん:特にないです。
Nさん:化学と数学はもっと難問を解くトレーニングをしておけばよかった。本番では難問が解けなかった印象があるので。
ーhiro:これについては微妙なところ。標準レベルが確実に身についていない状態で難問ばかりやると、結果的に得点率は下がる。Nさんの場合はギリギリのところだった。難問をそこまでトレーニングしなかったのはリスクを下げる方を優先したから。この点は指導側も改善の余地があると思う。

この塾で良かった点は?
Oさん:講師の年齢層が高い。浪人生だったので大学生講師はちょっと。
Nさん:個別指導だったこと。集団より伸びる感じがする。アットホームな感じ。受験生に「どこの予備校がいい?」って聞かれたら「個別指導がいいよ」って薦めると思う。(*Nさんは私や英語、化学を担当してた講師以外の指導を受けたことがないということに注意。)

何かhiroにききたいことある?
Oさん:編入するといいことありますか?(*質問は大学院で他の大学に行くのはどうか?という趣旨だった)
ーhiro:自分がやりたいことをやるためなら有り。学歴ロンダリングのためならやめた方がいい。
Nさん:大学で成績一番なるつもりで勉強しようと思うんですけど意味ありますか?
ーhiro:意味はある。就職で有利になる場合も多いし、給付型奨学金がもらえることもある。

理想と現実のギャップとの戦い

OさんもNさんも理想と現実のギャップに苦しんだ時期が複数ありました。

Oさんの場合は、仮面浪人を決めた前後と受験勉強を開始したあとです。仮面浪人を決めたときには、周りの学生の学問への意識の低さとのギャップを感じ、「ここにはいたくない」と思ったのでしょう。そして、あまり深く考えず内部進学でラクしてそういう場所へ進んでしまったことへの後悔もあったのではないかと思います。

二つ目は受験勉強を始めたあとです。受験勉強をスタートしてしばらくして、自分で思ってた以上に大変であることに気づいたと思います。仮面浪人を決めた時点では「自分はもっと上でやれる」と思ったけど、実際にそのための勉強をしてみると「こんなに大変なのか」と感じたわけですね。

このときOさんは「井の中の蛙」であることに気づきました。仮面浪人していたときにバカにしていた周りの学生と、自分を重ねて考えていたことでしょう。これはかなり苦しかったと思います。

Nさんの場合は、現役&浪人1年目の時代と浪人2年目の5~6月(私の指導を受け始めてすぐ)です。Nさんは現役&浪人1年目は予備校に通っていましたが、やれどもやれども成績も学力も上がらず何が原因なのかもわかっていませんでした。この時期は努力しても埋まらないギャップに悩んでいたことでしょう。

二つ目の時期は2浪目で私の指導を受けはじめてすぐのころです。書き起こしで書いたように私は最初のうちはいわゆる宿題というものを出しません。理由は自分で考えることの重要さを理解してもらいたいからです。特に塾や予備校に通っていて成果が出ない人は受け身の勉強に慣れてしまって、自分で考えて行動する習慣がない人が多いです。

Nさんは指導を開始した直後はそのことに気づいていません。それは「合わなかったら講師を変えようと思っていた」という発言からも明らかです。これは「本当にそれでうまくいくのか?いやいくはずない。」と思っていたから出た言葉のはずですからね。

ところが、やりはじめたら気づいてしまったんですね。「今までの自分のやり方は間違っていた」ということに。これはかなりのショックだったと思います。あれだけ時間をかけて勉強していたことがあまり効果のない勉強だったと悟ったわけですからね。全てが無駄ではないにしろ、かなり見当違いなことをしていたわけです。

1浪目は薄々それを感じながらも、「現役時代は部活ばかりやっていて受験勉強の時間が足りなかったせいだ。もう1年あればいけるはず」と思っていたようです。Nさんは2浪目でこの自分の甘さにも気づきました。

今までの自分のやり方を捨てて新たな方法で精神的には1からスタートするのはなかなか大変だったと思います。これが自分の学力を過大評価していたことに気づいた瞬間です。

OさんもNさんもこれらのギャップと戦い見事にやり切りました。Oさんは本人も驚くような結果を出しました。Nさんは惜しくも第一志望合格はなりませんでしたが第2志望はクリアしました。

さいごに

彼らは真剣に勉強に取り組んで、できる限りの努力をしたと思います。その結果、次の目標を考えて行動しているようです。

どうやら二人とも次の理想と現実のギャップと戦い始めたようです。

二人はめちゃくちゃ偏差値が上がったわけではないし、最終到達レベルも一般的にはスゴいわけでもない。もともと頭が良いタイプでもなく、ドラマ化されるようなキラキラしたエピソードはないんですが、大学受験生はそういう人がほとんどだと思います。キラキラエピソードが苦手な人はこれ読んでやる気だしてくれればと思います。

でも、本当に大切なのはキラキラだろうとなかろうと自分のできる最大の努力をしてやりきることだと思います。全てが終わった後で「悔しい気持ちもあるけどやり切ったからいいや!」と思えるかどうかだと思います。

以下にOさんとNさんの勉強の流れを書いておきます。ざっくりとですが参考になるかもしれません。

Oさんの受験勉強の流れ

数学
6月:中学数学の復習(主に代数系)
7~10月:計算マスター1A、初めから始める数学1A、黄チャ1A
10~2月:計算マスター2B、初めから始める数学2B、黄チャ2B
11~2月:フォーカスゴールド2b、大学への数学12
12月~:過去問+今までの復習

英語
6~9月:中学英語の復習(主に文法)、高校リードA、ターゲット1900
10月:スクランブル英文法、システム英単語
11~2月:DUO3.0、ポラリス英語長文、スクランブル英文法

現代文
最初からある程度できていた&時間なかったので特に対策はなし

Nさんの受験勉強の流れ

数学
4~7月:青チャ1A、4STEP1A(類題演習用)、基礎力判定問題集1A(演習用)、実践力判定問題集1A(演習用)、合格る計算1A2B(計算演習用)
8~11月:青チャ2B、4STEP2B(類題演習用)、基礎力判定問題集2B(演習用)、実践力判定問題集2B(演習用)、合格る計算1A2B(計算演習用)
12~2月:過去問、今までの復習

化学、英語
*追記予定

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