入試本番で数学が解けるようになる勉強方法

今回はスタンダード数学演習12ABの領域と最大・最小の問題を例にして、本番で数学が解けるようになるためのポイントを紹介します。指導経験上、このポイントを意識していないせいで「めっちゃ勉強したのに解けるようにならない」という人が多いです。

書いてある内容は数2教科書レベルをある程度理解してる人向けですので悪しからず。

スタンダード数学演習を持ってない人にもわかりやすくするために今回は問題と解答も載せておきます。今回は解答自体の解説は省略します。あくまでもどこに反応して解くかに焦点を当てます。

 

問題

実数 xyx^{2}+y^{2}-2xy-4x-4y+6 を満たすとき、 x+yxy の最小値をそれぞれ求めよ。(同志社大)
この問題は「解答に書いてることがよくわからない」と生徒に質問された問題です。数学の勉強をしてるとこういう場面に出くわすことは多いと思います。ここが数学を勉強する上で最も重要なポイントだと私は考えています。

解説を読んだ上で質問してくるわけですが、その要素は大きく分けて次の2つに分かれます。

1:解説自体が理解できない
2:解説は理解できてるけど、どこに反応してその解法を使ってるのかわかってない

質問してくる人の多くは1のつもりで質問してきます。もちろん1の方がより基礎的なのでまずはこちらを解消しないといけません。ところが2は全く意識してないことが多いです。2の問題を解消しておかないと本番になって何をやったらいいかわからなくなります。

この問題について質問してきた生徒も本人は1だと思ってたが実は2がわかってないパターンでした。

まずはテキストに書いてある解答を見てみましょう。

 

解答

x+y=uxy=v とおくと、xy は2次方程式 t^{2}-ut+u=0 の実数解であるから、判別式 D について、

D=u^{2}-4v \geqq 0、 よって v \leqq \dfrac {1}{4} u^{2} \cdots

また、

(1)   \begin{eqnarray*} x^{2}+y^{2}-2xy-4x-4y+6 &=& (x+y)^{2}-4xy-4{x+y}+6 \\ &=& u^{2}-4v-4u+6 \end{eqnarray*}

ゆえに、 u^{2}-4v-4u+6=0

すなわち、 v=\dfrac{1}{4}(u-2)^{2}+\dfrac{1}{2} \cdots

 

Rendered by QuickLaTeX.com

 

よって、曲線②上の点( u, v )が①の範囲にあるときの uv の最小値を求めればよい。②を①に代入して、

(2)   \begin{eqnarray*} \frac{1}{4}(u-2)^{2}+\frac{1}{2} &\leqq& \frac{1}{4}u^{2} \\ u &\geqq& \frac{3}{2} \end{eqnarray*}

u &\geqq& \dfrac{3}{2}におけるv=\dfrac{1}{4}(u-2)^{2}+\dfrac{1}{2}のとりうる値の範囲はv \leqq \dfrac{1}{2}

したがって、 x+y の最小値は \dfrac{3}{2}xy の最小値は \dfrac{1}{2}



おそらくこの解答を理解すること自体は難しくないと思います。ところがここで満足してしまい本番で解けなくなる人が多いのです。本番で解けるかどうかは以下に示すポイントを意識して整理できているかで決まります。

 

ポイント1:解と係数の関係に反応する

まず、 x+yxy に反応できるかどうかが最初のポイントです。この形を使う解法はそう多くはありません。「対称式の計算かな?」とか「解と係数の関係?」と反応できるようにしておきましょう。今回は後者が正解ですね。

xy が実数のとき、 xy は2次方程式 t^{2}-(x+y)t+xy=0 の実数解である。

これはよく使うけど忘れがちなやつなのでしっかり覚えておきましょう。そして、今の場合、この2次方程式が実数解を持つはずだから判別式 D \leqq 0 というところまで反応できるようにしておきましょう。

この判別式の部分だけ取り上げればほとんどの受験生は理解できると思いますが、これがきたらこう反応するんだという意識付けができてないために本番で解けないことが多いのです。

x+yxy を見たら t^{2}-(x+y)t+xy=0 を作るところまで1セットで覚えておくといいでしょう。もちろん、x+yxy で反応してやることはこれだけではないので、他のものも合わせて整理しておく必要があります。

 

ポイント2:全て置き換える

もう1つのポイントは与式を uv で表す部分(式(1))です。これもどこに反応してこれをやるのかをおさえておかないと本番で解けなくなります。

ここでのポイントは判別式の条件から①の不等式を得ていることです。これはすでに uv の式になっています。つまり、ここから先は uv で考えて行くぞということです。この時点で式(1)のような式変形をしたくなるようでなければいけません。

2次関数の最大最小の問題で置き換えを利用して解く問題を見たことがあると思います。それと同じことです。置き換えたら、全体もその文字に置き換えて考えて行くのが定石です。

 

ポイント3:途中からは基本レベルの問題になる

ここまでの情報を整理しておきます。ここまでに得られた式は以下の2つです。

(3)   \begin{equation*} u \geqq \dfrac{1}{4}u^{2} \end{equation*}

(4)   \begin{equation*} v = \dfrac{1}{4}(u-2)^{2} + \dfrac{1}{2} \end{equation*}

そして、この条件で uv の最小値を求めろと言われてると思うことが重要です。本番で解けない人は、この時点でも xy の事が頭から離れていません。問題はすでに uv の問題になったので、そういう問題だと思うことがポイントです。

そう思えればこの問題は uより基本的な2次関数、2次方程式の問題だと気づくはずです。そうなればグラフも描き、最小値について考えることは難しくなくなります。

ここまでくればあとはグラフの赤線部分の中で、uv が最小となる場所を判断すればいいだけですね。もちろん、グラフを使わずに不等式だけで考えることも可能です。

アドバイス

数学の問題を解きやすくするためのポイントは大きく分けて以下の2つです。

1:どこに反応して何をするか意識・整理しておく
2:難しそうな問題でも途中からは基本的な問題に読み換えられることを意識・整理しておく

ここで取り上げたポイントの中でやっていること自体は基本的なことで、「そんなこと誰でも知ってるよ」と思う人も少なくないと思います。ところが、こういった入試問題になるとそれができない人が多いのです。

それはここで書いたような考え方ができていないからです。問題の解法を1つ1つのより基本的な知識に分解することが重要です。

これができるようになるだけで本番で解く力は飛躍的に上がるのでみなさんもぜひ意識して勉強してみてください。勉強方法については以前に書いたこの記事も参考になると思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA