29三角関数(2) 243:解説 スタンダード数学演習Ⅰ・Ⅱ・A・B(2016)

この問題は(2)の式変形が最大の難関です。三角関数の式変形が苦手な人も多いと思います。主に何に気をつけて式変形していけばいいのかを解説します。

(1)の解説

これは三角関数の合成をすればすぐに求まりますね。

(1)   \begin{eqnarray*} t &=& sin2\theta + cos2\theta \\ &=& \sqrt{2}sin \left (2\theta + \frac{\pi}{4} \right) \\ \raisebox{.2ex}{.}\raisebox{1.2ex}{.}\raisebox{.2ex}{.} \hspace{3mm} -&\sqrt{2}& \leqq t \leqq \sqrt{2} \end{eqnarray*}

 

(2)の解説

式変形してtで表すのはわかりますが、どう式変形するかが問題です。こういう場合、大きく分けて2通りの式変形があります。

1:f(\theta)を変形していく
2:t = sin2\theta cos2\thetaを式変形していく

今の場合は2が良さそうです。なぜかというと、t = sin2\theta cos2\theta を色々いじくって、f(\theta)の各項を作る方が圧倒的にわかりやすいからです。

こう言う場合はf(\theta)の各項(今の場合は 6sin\theta cos\theta-8sin^{3}\theta cos\theta2cos^{2}\theta -1 )をt = sin2\theta + cos2\theta から作れないかを試すところが解法ルートの入り口です。

6sin\theta cos\theta = tの式
-8sin^{3}\theta cos\theta = tの式
2cos^{2}\theta -1 = tの式

これらを作っていくイメージを持ちましょう。

2倍角の公式より cos2\theta = 2cos^{2}\theta - 1 であることに気づけば比較的スムーズに解き進めることができます。ただし、余計な項が出てくるのでその部分に惑わされないような粘り強さと冷静さが必要です。

 

ということで、 2cos^{2}\theta - 1 の項を作れないか試してみましょう。

(2)   \begin{eqnarray*} t &=& sin2\theta + cos2\theta \\ &=& 2sin\theta cos\theta + 2cos^{2}\theta-1 \\ &&\raisebox{.2ex}{.}\raisebox{1.2ex}{.}\raisebox{.2ex}{.} \hspace{3mm} 2cos^{2}\theta-1 = t - 2sin\theta cos\theta \end{eqnarray*}

さて、2sin\theta cos\thetaが邪魔ですね。ここは、一旦保留して、他の項を作ることを考えましょう。この点については経験値でしか補えないので、こういう式変形もあるんだということを覚えておきましょう。

 

次は、 -8sin^{3}\theta cos\theta を作ることを考えます。少しズルい考え方ですが、こういう場合はだいたい2乗するとうまくいきます。これも経験値でしか補えない部分ですね。

(3)   \begin{eqnarray*} &&t = sin2\theta + cos2\theta \\ &&t^{2} = (sin2\theta)^{2} + (cos2\theta)^{2} +2sin2\theta cos2\theta \\ &&t^{2} = 1 + 2sin2\theta cos2\theta \\ &&t^{2} = 1 + 2 \cdot 2sin\theta cos\theta (1- 2sin^{2}\theta) \\ &&t^{2} = 1 + 4sin\theta cos\theta - 8sin^{3}\theta cos\theta \\ &&\raisebox{.2ex}{.}\raisebox{1.2ex}{.}\raisebox{.2ex}{.} \hspace{3mm} -8sin^{3}\theta cos\theta = t^{2} - 1 -4sin\theta cos\theta \end{eqnarray*}

ここでも -4sin\theta cos\theta という邪魔な項がでてきますが、さきほどの式(2)と合わせるとうまくいきそうですね。

 

式(2)、(3)より、

    \begin{eqnarray*} f(\theta) &=& 6sin\theta cos\theta +(t^{2} -1 -4sin\theta cos\theta) + (t -2sin\theta cos\theta) \\ &=& t^{2} + t -1 \end{eqnarray*}

ポイントは相殺される項が出てくる場合があるということですね。これを頭に入れておけば、冷静に式変形することができるようになります。

 

(3)の解説

ここはあまり解説の必要はなさそうなのでサラッといきます。

(4)   \begin{eqnarray*} f(\theta) = f(t) &=& t^{2} + t -1 \\ &=& \left (t + \frac{1}{2} \right)^{2} -\frac{5}{4} \\ &&(-\sqrt{2} \leqq t \leqq \sqrt{2}) \end{eqnarray*}

よって、f(\theta)t= \sqrt{2} で最大値 1 + \sqrt{2}

 

アドバイス

こういった経験値が必要な問題では、解説を読んで満足してしまわないように注意しましょう。式変形はひらめきだからと練習しないでいると本番では解けません。しかも、こういう問題ほど固執して解こうとしてしまいます。そこで時間を浪費してしまいがちです。

経験値が必要な部分はトレーニングを積み重ねるしかありませんが、ここで書いたような考え方をベースに持っていれば経験値が早く貯まります。特に、それぞれの項を作れないか試してみるというのは有効なことが多いです。

2乗することで sin^2\theta + cos^{2}\theta = 1 の形が出てくる場合はとりあえず2乗してみるというのも有効なことが多いですね。

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